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カテゴリ:スマイル
スマイル詳細感想。

最初に映る写真。リンカーン記念館。I have a dream.


プロローグ2015年。東京拘置所。

面会申請する一馬。右手に大きな傷跡。
柏木と交わされる会話。


どう?ビトの様子は。
明るいよ、奴は。根っから。感心するくらい。フィリピンの人って根が明るいのかね。
そうらしいよ。
で、今日は新展開あるの?判決が覆るような、新しい証拠でも見つけた?
見つけても喋らないっつの。あんたには。

状況説明。ビトの様子が語られる。ビトがフィリピン人のハーフであることもここで暗示。服役中であること、一馬がビトの弁護士であるという関係明示。
そしてまた、「判決が覆る」というセリフから、どうやらビトは無実の罪で拘置されているらしいという状況も示される。

部屋に入ってくる一馬。
迎える眩しいほどの屈託のない笑顔の青年。

判決が覆る可能性のある罪で拘置されている青年なのに、その笑顔は非常に明るい。暗さを微塵も感じさせない。それは冤罪が晴らされることを信じているからではないことが、すぐ後の会話で示される。といって諦観しているわけでもない。
現状を全て容認し、そこに在ることを素直に自然に享受する姿のように思える。


交わされる会話は寿司の話。

過去場面に移行する橋渡しだが、この何気ない会話にも意味があると思う。

大トロという些細なことにも喜びを見出す青年のほほえましい落胆。
ビトは一馬と出会った回転寿司のタイムサービスを覚えていない。
一馬はしっかりと覚えている。そう聞いた時、ビトが言う。


なんで?なんでそんなに僕のこと印象に残ってるの?
職業柄、記憶力はいいんだよ。
わかった。東南アジアっぽいのがなんで寿司食ってんだとか思ったんでしょ。


ここのセリフ。

一話通して見て振り返って初めて分かるセリフの意味。

圧し潰されて、フィリピンのハーフでも信じてくれると泣きながら訴えたビト。
コンプレックスにまみれたあの絞り出した叫びとは全く違う。

「東南アジアっぽいのが」と口にするビトの表情は至極普通で、そこにはコンプレックスの陰など微塵もない。
ようやく自分自身を肯定することができるようになった姿がそこにある。


しかし、なんで刑が確定してから5年も経過させたんだろう。
この年限の意味はどこにあるんだろう。後になったらこれもまた意味が出てきそうな気がする。


柏木を絡めた何気ない会話の後、一馬のモノローグが入る。

今笑っている我々は
こうして笑顔を取り戻すまで、どれだけ傷ついたことだろう。

ここで、リンカーン記念館(Ihave a dream)の紙で何かを折るビトが映し出される。手もとのアップ

これは、壮絶な生きざまを見せた男の、
愛と正義の
物語だ。


プロローグ終了。


場面は過去、2009年に。

一馬と出会った回転寿司大トロタイムサービス。
大トロなんて食べたことのない青年たち。


期待値の高さと落胆の仕方が三人とも可愛くて可愛くて。
一馬の大トロを見つめるビトの顔がなんともいえない。



町村フーズの工場。

ブルが執行猶予の身であることがセリフで示される。
ビトが夜もバイトしてることもここで分かる。

ビト、作業機械で手を怪我。
←これは3話以降の伏線?


バイトに赴くビト。
途中、時間に余裕があるので本屋に寄る。「自分のお店を開く」それがビトの夢だというのが示される。
勉強家なんだろう。でも、買う金はないから専ら立ち読みらしい(笑)

立ち読みする後ろを通り過ぎていく女子高生。
通り過ぎた後、ビトを見て驚いたような表情を見せる。


たぶん、花の方はビトを見知っている可能性がある。それを示唆するような見せ方だった。

その視線に気づき、花に目をやり、気まずそうに場所を変えるビト。
でも、花のことが気になるらしく、再び視線をやると、そこには花はもういなかった。
代わりに、財布を拾うビト。「三島 花」。さっきの女子高生のもの。
そのとき、花が万引きに間違えられて事務所へ連れて行かれる。


財布を落としたらしいことに気づき、うっかり本を持ったまま探してるうちに店の外にでてしまったようだ。

事務所で詰問されるが何も答えない花。ただただ、困惑したような焦った顔を見せるばかり。
そのとき、ビトが入ってくる。
財布を届けて、花の誤解を解くビト。

二人揃って本屋を出る。その店先で、「じゃ、ここで」と別れようとするビト。

でも、すぐには二人とも動かないんだ。すでにちょっと別れがたいなって思ってる空気が漂っていて、なんかほほえましい。

ビトに深々とお辞儀をする花。
それを何とも言えない表情で見つめて、袋を抱えなおすビト。

いやー、可愛いなあと思ってるのがあからさまではなく透けて見えるビトの表情が何とも言えません。戸惑ったような、どう接していいか分からないような。これが、早川ビトって青年なんだなあ。

バッグを抱え直した手に傷があるのに気づく花。
いきなり自分のバッグを漁りだすので、ビトは何かあるの?とちょっと怪訝そうな顔。何とりだしたの?って顔のビトに、花は絆創膏を示す。続いて、ビトの傷ついた手を。

花が絆創膏を貼るためにビトの手を取ろうとするも、ビトはすぐに手を引っ込める。
ああ、…いいよ。
でも花は無理やりビトの手をとって、そして貼ってあげるのだ。


ここの松本潤の表情が絶品なんですよ。どうしていいか分からない、嬉しいけどでも戸惑いの方がずっと大きくて。
見ず知らずの人から優しくしてもらった経験なんてほとんどないんだろうなと。
て、まあ、誰でもいきなりここまで親切にされたらとまどうとは思いますが(笑)


どうやって反応したらいいか分からないビトは、だから時間がないって言い訳しながら去っていく。
見送る花の、もう、満面に「あなたが好き!」って思いを浮かべた表情が可愛すぎる。
大好きだった人を見つけた。やっぱり大好き!に見えるんですが。…うがちすぎだったら笑ってやってください。


ビトがバイトしてる店。
駆け込むビトを殴る店員。
「おせえんだよ、フィリピン野郎が」

なじられても反抗するでなく、ただ諦観に満ちた悲しい表情を見せるビト。もう、傷つく余地も残ってないという感じ。

かぶさるナレーション。

I have a dream.

僕には夢がある。
それは、レストランを作ることです。
そのレストランは
多国籍料理の店です。
さまざまな国の料理が味わえるレストランです。
あなたとふたりで
一緒にそのレストランができればいいな
と思います。
店の名前は
まだ決めてません。
でも、そこで食事をしている人は、みんな笑顔です。
顔見知りも、見ず知らずの人も みんな同じテーブルについて

そして

笑顔なのです。


ナレーションのバック。
「僕には夢がある~まだきめてません」
プロローグの続き。折り紙を折るビトの姿が映される。
「でも~食事をしている人はみんな笑顔です」
折り上がったブタのアップ。
「顔見知りの~みんな同じテーブルについて」
一話で登場する人物総出という感じ。町村家の人々、キンタ、ブル。一真。甲斐や林、刑事でさえも映し出される。
 この意味のなんちゃって解釈は前エントリで書いたので省略。
「そして 笑顔なのです」
ブタをもって笑うビト。

本当に暗さのない、満面の優しく明るい、無垢な笑みである。
独房の中で、そんな風に笑う。
過去のビトにはなかった笑顔である。
そこに5年の年月と重みを感じるのだが。


で、オープニング。



ここで小休止します。長すぎるし(苦笑)

一言、音楽が素晴らしい。これを書きながらDVD流してるわけですが、
もうこの花が絆創膏を貼る場面からオープニングに至る流れは鳥肌たちまくりです。
心の底から喜びがわいてくる感じ。
すごいよ、このドラマは。本当にすごいよって思っちゃって。
フォルクローレ調が見え隠れするのもニクイ。多国籍なんですよね。

これはねー、リピートすればするほど感動が深まって倍増していくっていう、
なんだか珍しいケースです。初見より今の方がずっと感動してますもの。

ゆえに、視聴者は選ぶだろうなあとは思います。
そこが残念。








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Last updated  2013/09/16 11:47:36 PM
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