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夢見感想☆

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カテゴリ:スマイル
後半です。

近藤からユキへ覚せい剤を渡した店に、刑事が張り込みに来ている。
ジッポの蓋をカチカチと開け閉めする癖。古瀬刑事。そしてその部下の高柳刑事。
古瀬はシフトを終えて店から出ようとするビトを見つける。
「そうかそうか。そういうことだったか」「あいつはとんでもねえ悪党だ」


思い込みと先入観で凝り固まってるセリフ。
このセリフも、登場人物のポジションと人物像を非常に分かりやすくするためのもの。
初回はキャラクターの顔見世興行ですから、どうしてもこういうセリフが多くなる。
それを、浅いとかステレオタイプでひとくくりにしてしまうのは宅間さんがかわいそうではある。
ともかく古瀬は、ビトに対して敵愾心といってもいい、憎悪に近い感情を抱いているように見える。


キンタとブルに合流したビトは、近藤の属するチームの頭だった甲斐に出くわす。
「ずいぶん丸くなったじゃねえか」とビトの頭をつかむ甲斐。
怒ったブルが殴りかかるのをキンタとビトが必死に止めようとする。そこにやってきたしおり。慌てふためいて割って入り、ふた組を引き離す。しおりの胸の弁護士バッジをみて引き下がる甲斐。

過去の回想。ビトたちの頭だった林の残虐さを語るキンタとビト。

そして、過去対立していたグループの人間が同じバイト先にいるなら、さっさとやめた方がいいとみんなから忠告されるビト。


当たり前だ。のんきにデミグラスソースが~なんて言ってる場合ではない。
でも、ビトに料理を習いに行く金はないし、時間もないし、ミドリ母さんが作ってくれる料理はいつも日本食だし。
多国籍料理を勉強するには、今のバイト先はうってつけだったんだろう。
それに、近藤といつも同じシフトになるわけではなし、避けてればとりあえず無風で過ごせていたのかもしれない。
これまでは。


皆の忠告を聞き入れて、やめる決心をするビト。

町村フーズ。工場で作業するビトのもとへ、みどり母さんがやってくる。
「ビト。しおりにきいたけど、なるべく早くバイト、変えなさい。まあ、ビトのことは、もう大丈夫って信頼してるし、最悪何があっても、あたしも社長も、ビトの味方だから。心配しなくてもいいけど、心配かけるなよ」
ぽんっと、ビトの背中をたたくみどり母さん。優しい笑顔。


どこかに居心地の悪さととまどいを覚えているようだったビトだが、その笑顔と言葉に、ゆっくりと、滲むように微笑む。ビトの心に沁みていくその優しさ。
人の温かさに餓えて、人の前に心をさらすことができない臆病になってしまってるビト。
その心をゆっくりと解きほぐしていく町村家の人々。
そんな場面だ。
人を信じていいのかもしれない。大丈夫かもしれない。おずおずと扉を開けようとしているようなビトの表情が印象的。


小学校へおはぎを配達。給食のおばちゃんとも懇意にしてる。屈託なく話しかける好青年の姿がそこにある。
事務室からの帰り、廊下でビトの背中に飛び乗る少女「ビト兄ちゃん」。
おんぶしてあげながら「りなちゃん」と嬉しそうなビト。


彼の過去も素性も知らない人々の前では、彼は彼自身でいられるのかもしれない。
あるいは、深く付き合う可能性のない、一過性の人々とは、何の気負いもなく接することができるのだろうか。昼間の彼は実に働き者で好青年だ。
結婚してくださいって言いたくなる。(いや、このビトくん、もろ好みなもので。失礼しました)


そして。さあ、いよいよ、後半のいやーーーな展開に突入ですよ。

意を決して近藤から鍵を取り返すビト。
ここでのビトは近藤の前にビビって言うなりになってたビトと少しだけ違う。
おどおどしながらも、「鍵返してほしいんですけど」と言いだすことができる。甲斐さんにあっただろう。甲斐さんはやくざとつながっている。俺になめた態度とってると、殺されるよ。
近藤の恫喝にもビトは屈さない。

「鍵、返してください」
「てめえ人の話聞いてんのか」「僕の!」
「僕の話、聴いてますか」

近藤の言葉を遮るビト!相変わらず腰は引けてるっぽく見えるし、よわよわしい口調ではあるが。
「だから、先輩面すんな」「ユキ」
人の言葉遮り二連発。しかも、脅し返しやがった。の、ビトくん。

実はこの子、もしかしたらたいした玉なのかもしれない。
こうと決めたら一歩も引かない性格なのかもな。と思う。デミグラスソースの件にしても。

キンタやブル、しおりさん、町村家のみんなが、自分のことを心底思って、忠告してくれた。
だから、引かないって心を決めてきた。その表れか。


「来てましたよね。ここ」
立派に脅してますよ。その上目遣いでも。
気圧されたのか、近藤は渋りつつ鍵をテーブルに置き、捨て台詞を残して出てゆく。

急いで自分のロッカーを探るビト。確認するが中には何もない。ほっと息をつくビト。

安心して迎えた町村家のお昼。
しおりの話。一馬の辣腕ぶりを披露。

ちょっと無理やり。もう少しうまく見せてくれると良かったな。しおりさんの演技はとても上手!一馬さんもほんとに食えない弁護士だよ。

さて、その日は面接の日だった。
やってきた女の子の品定めをするみんな。
キンタの好みではないみたい。ブルは好み。
そして、ビトの心に掛っていた、少女。
やってきた女の子は、花だった。

花の紹介で、彼女が失声症であることを初めて知るビト。
嬉しい、でも、戸惑ってしまうビト。


いつものようにバイトに向かうビトの後をつける花。

ストーカーだよ(笑)
たぶん町村フーズに就職したのもビトが働いていることを知ってたから。どうやって調べたかは不明。
花にとって、ビトは完全に特別で、大好きな人なのだ。それが実によく分かる。


連れだって街を歩く二人。刑事に尾行されていることなど、当然気づいていない。

「でも、驚いた。まさか、君がうちで働くとか」
「ん?」
「あのさ、分からないことがあったら、聞いてね、なんでも。」
「あ、あと。これ。」豚さんのキーホルダーを取りだすビト。「ありがと」
花はビトの鍵束にキーホルダーをつける。
なんで豚?って聞くビトに、豚が好きって答える花。「あ、ぼくも、まあまあ」無理に話を合わせるビトくん。
ブタに願い事をすると、夢がかなうんだと、身ぶり手ぶりでビトに伝える花。

「夢?」花と会話をすることが嬉しそうなビト。そして、ちょっとだけ、誇らしげに「あるよ」と語る。
レストランをやること。
多国籍料理の店なんだ。

もしかしたら、自分の夢を誰かに語ったのは初めてなのかもしれない。
語れることが嬉しそうなのだ。
誰だって自分自身を分かってもらえるのは嬉しい。
花の語る言葉を理解するのすら嬉しそうなビト。


「あ、そう、名前まだ言ってなかったよね」
「おれ、早川」と言いかけて、視線をそらす。「ビト…です」
「変な名前でしょ」自嘲気味に言いながら鍵をもとに戻すビト、その顔をわざわざ覗き込んで、花は怒って見せるのだ。

ぜんぜんそんなことないよ。って。何を言ってるのって。
その表情を見たビトの、胸の奥にくすぐったいような喜びがよぎる表情。

この場面はもう、ひたすら初々しくて可愛い!
今の今までほほえましく見てたんですが、この感想書きながら見て初めて泣いてしまいました。ここで。
自分の夢を語れる、そんなささいなことですら、こんなに嬉しそうな青年がせつなくて。

この子はどれだけ胸を痛めて、ぼろぼろに傷ついて生きてきたんだろうって思う。
そうすると、もうだめなんですよ。


一馬さんがユキの弁護を申し出る。
そこでどうやら一馬にも、過去のいわくがあるとわかる。



字数オーバーだったんでいったん切ります。





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Last updated  2013/09/16 11:48:41 PM
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