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カテゴリ:ドラマ
生みの母とは知らず、自分を捨てた母との最後の日を語る主人公。
時間は測ってないからわかりませんが、十分以上はあったであろうと思われる二人の会話の場面にBGMは一切なし。 しかも派手なカメラワークもなし。 松雪泰子と田中裕子の顔が交互に映し出されるだけ。 なのに引き込まれる。息をつめて見入ってしまう。 「会ってみたいと思いますか?あなたを捨てた母親に」 意を決して尋ねる生みの母に、「無償の愛って」と返す主人公。親の子供への愛は無償の愛だというけれど、それは逆だと思う。幼い子供が親に向ける愛こそが無償の愛。どんな親であっても、子供は親を愛す。その子供の思いを裏切った人には――「会いたくありません」 静かに階下に降りてゆく生みの母。 そして、洗面所で水を流しながら、悲痛な嗚咽を漏らす。 田中裕子、名演です。 民放ドラマのクオリティを超えてるでしょ!と意味不明の突っ込みをしたくなるくらい、非常に密度の高い場面。ドラマです。 これこそがドラマです、って感じで。 淡々としていながら、しかしドラマは大きくうねります。 つぐみが使っていた色鉛筆のはがされた名前シールにきづくうっかりさん@田中裕子。 み‐‐れなと読めるその文字から「れなちゃんって子にもらったの。だから水色がないんだ」と語りかけ。 そして新聞の束の中から道木玲奈ちゃん遭難の記事を偶然見つける。 事情を察して愕然とする母。この演技がまた素晴らしい。 今回は田中裕子さんの独壇場だった気もします。 でも演出もいい。上手いと思う。 できなかった逆上がりができたつぐみと茫然と空を見つめる生みの母のカットバックも秀逸。 山本さん演ずる記者の存在も不気味。ひたひたと迫ってくる不吉な予感をしのばせます。 役者の素晴らしい演技を存分に味わわせてくれる、そして大げさではない叙情に満ちたドラマです。好きだなあ。 でもこれだけ地味だと、視聴率はとれないのでしょうね。 視聴率取れてる怪物くんは、この枠の直後に宣伝する必要ないのではないでしょうか。 正直邪魔で仕方ないです。 怪物くんも楽しくかわいらしいドラマだと思いますが、毛色が違いすぎて余韻に浸ってるところをぶち壊しにされてしまう。 そこらへんテレビ局さんに考えてほしいなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/04/28 11:30:23 PM
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