わが家の歴史、きっちり本編はBDに落とし、HDDの分は義男バージョンに編集致しました。
8時間が1時間ちょっとにまとまってスッキリ。
義男さんだけをつなぎ合わせると、義男さんの人生がクローズアップされて見えてくるから不思議です。誠実で真面目で、責任感があるゆえに誰よりも葛藤を抱える義男さん。その葛藤を胸にしまってなかなか見せない義男さん。
でもシスコンで姉ちゃんにはちょこっと本音を見せてしまう。
なのに姉ちゃんを困らせたり哀しませたりすることは絶対におくびにも出さない。
そんな義男さんが惹かれてゆくゆかりさん。
ゆかりさんの人となりそのものはそんなに魅力的に描かれているとは思いませんでしたが、ゆかりさんに惹かれていく義男の心情はものすごく伝わってきました。
きっと義男の目にはキラキラと輝いて見えてるんだろうなあ、とか。
憧れの人なんだろうなあ、とか。
自分ってものを持ってそうで持ってない、流されやすい彼女の性質を見極めたうえで、だからこそ彼女に対して誠実であろうとするところとか。
相変わらず目で演技する松本潤さんです。
この人の表情は本当に好きだなあ。目で語れるって一つの才能ですよ。なんという雄弁な目。
全編通して一番好きなのは「やめんね」上京場面と「何いいよるとですか!ねえちゃんは家族のために自分の身を犠牲にしようとしとるとですよ」と父ちゃんを諭す場面。
それから、「やけん姉ちゃんのその気持ちが僕らを苦しめとうとよ」
ゆかりさんとのキスシーン。
交際を反対されたあとの大みそかの場面。
政子に「ありがとう、嬉しかったよ」と伝える場面(ここは秀逸!)。
ほとんど全部ですが(笑)とにかく端から端までイイ!
ラスト東京オリンピックをみんなで見てるところでかぶさるナレーションがまたよくて。
劇伴もとても良かった。
個人的に劇伴はドラマの中でとても大切な要素の一つなのです。
(スマイルを未だに愛するのは音楽が素晴らしかったのも大きな理由。)
編集作業をしてて初めて最後の場面にうるっときました。
淡々とあっさりと描いていくドラマでしたが、だからこそ堆積した家族の歴史と「時代」が胸にぐっとくる。
いいドラマだったと思います。
それからもう一つ。
編集作業をしていて発見したこと。
ゆかりさんの病室に義男が駆け付けた場面での義男のセリフ。
ゆかりさんの手を愛おしそうに――本当に愛おしそうに握りしめて、彼が言います。
「ずっと一緒だよ」
これ、最初は単にこれからずっと一緒にいようって意味合いだと思ってました。
でも義男さんの部分だけをピックアップしてつないでいくと、これって「あなたを好きな気持ちはずっと一緒なんだよ。何も変わっていない。そしてこれからも変わらない。ずっとずっとあなたが好きなんだ。」って想いを込めた言葉なんだって分かりました。
なんて理解の遅いバカな頭なんでしょうワタクシ。
そうすると感動が倍増するんですね。
足早な展開の中で看過されてしまうような些細な場面なんだけれど。
立ち止まってきっちり見ると実は身の詰まった描写であることが分かる。
見直すとより一層味わいが増して好きになるドラマでした。
義男さんはいい。めっちゃいい。
次またドラマがあるとしたらどんなドラマに出てほしいか。
なんて、やくたいもないことを夢想しておりますが。
分かりやすい符号で分かりやすいメッセージを描いた作品は避けてほしいかなあ、というのはあります。ファンタジーっていうか。馬鹿にしたもんじゃないよ、結構内容が濃いんだよ、みたいに受け止めてもらえる、インターフェイスがそもそもリアルではない故に突っ込みどころ満載でもスルーしてもらえる作品は花男で十分かなと。
既存の作品で言うなら、コードブルーとか。ああいう作品に出演できるといいですよねえ。
今期の作品ではmotherのテイストが非常に好きですが。
主人公というより、山本さんが演じている記者のような役をやってくれても嬉しいかなあ。
なんてほんとに空想を膨らませて遊んでいます。
まあでも、贅沢は言いません。ドラマで松潤さんを見られるならどんな役であろうとどんなドラマであろうと文句は言いません。
そろそろ演じてる松潤さんがみたいですよー。