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カテゴリ:ドラマ
最初は笑っていいとものニノを観ていたのだけど、途中からニノがちっとも映らなくなったので、浮気心で戯れにチャンネルを変えた。
『塀の中の中学校』があっていた。 今日だったんだ。すっかり忘れていた。 そして見始めたら、あっという間に引き込まれて、もう戻れなくなった。 人はそれぞれの人生を背負って。 誤った道を歩くことは誰でも多々あって、ただその中で引き返せない過ちに踏みこんでしまう人もいて。 でもそこにはそれぞれの背負っているものがあるのだ。 犯した罪は消えない。永遠に許されることはない。 そういう罪がある。 でも、その罪を償いながら生きる魂を誰が責められるだろう。 そういう自分に気づく力。 自分の罪に気づく力。 立ち止まって自分や人生や相手や生きることについて考えることができる力。 それを獲得する時間を持たずに生きて来てしまった人生。 塀の中の中学校で、その時間を手にすることができた受刑者たちの姿がじわりと胸に沁みて、泣けてしょうがなかった。 学ぶこと。 何かを達成すること。 わかるようになること。 人の善意に触れること。 その喜びって、きっと誰もが感じられるものだ。 でも感じることなく過ぎてしまうことも多いのかもしれない。 識字学級で字が書けるようになった喜びを書きつづった「夕焼け」という詩がある。 その詩を読んだ時と同じ気持ちになる。 感動なんて軽い言葉で言い表すのは違うと思う。 学ぶってわかるって意味があるんだって。それは喜びにつながるんだって。 多分普通とはちょっとずれた所ですごく重く響いていて、今自分は顔を上げられない。 いいドラマだった。 多分普通に見ててもいいドラマだったんだろうと思う。 さすがドラマのTBSだなあ。 役者の演技も素晴らしかった。中でも受刑者たちは素晴らしかった。演出もよかった。一切奇をてらうことなく、淡々と彼らの日々を追う。けれどもそこにしっかりと「変容」が描かれていた。大げさな演出は何一つなく、行き過ぎたお涙ちょうだい描写も全くなく、さらり、さらりと全てを流し。 けれどその都度役者の演技が楔を打ち込む。それが実に上手い具合に機能していたと思う。 いいドラマだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/10/11 11:41:08 PM
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