映像の力を知る。
音楽の力を知る。
詩的な脚本の威力を知る。
メロディを奏でるモノローグと抑えた伴奏、どこまでもノスタルジックに美しい映像。
なんだかドラマの域を超えたものを見てしまった気がした。
心が震えてしまった。
キャラとかストーリーとかそういうものではない、作品世界そのものに鳥肌が立った。
鉄塔。
なぞらえられる人々。
その群像模様が端的にしっかりと描かれているからそこに力と質量が生まれる。
すごい。
ひたすら引き込まれてしまった。
もしかしたらこれはDVDを買ってしまうかもしれない。
佐久間さんの演出と合うってのもあるのか。
木皿脚本の素晴らしさか。
それならおれは あの鉄塔だ
Q10が 世界が生まれましたと言った
あの鉄塔だ
Q10とどこまでも一緒にいけたらいいのにと思った
あの鉄塔だ
あの鉄塔が俺なら
あれは久保だろうか
あっちは景山 あれは山本で
藤丘で 中尾で 河合で
どれも空に向かって立っている
それは空に向かって
声にならない声で叫んでるみたいで
どうしていいかわけのわからない気持ちを深く根元にうずめて
互いに手を差し伸べるように
頼りない電線だけでつながっていて
ポツンと一人
でも地面に精一杯踏ん張って
俺はここにいると立っている
ああ、そうだ
俺たちはここにいる
Q10。最高です。