燃油サーチャージ、大幅引き下げへ 航空需要を喚起
日本航空は9日、国際線の燃油特別付加運賃(サーチャージ)を8割超引き下げる方針を固めた。燃油価格の下落に対応し、4月発券分から実施する。全日本空輸も同様に引き下げる見込みで、5月の大型連休に向けて低迷する航空需要を喚起する。 北米・欧州路線は現行の2万2,000円から3,500円、ハワイ路線は1万4,500円から2,000円に引き下げる。韓国や中国などアジア路線も現行の2,500~6,000円から、1,000円以下に引き下げる見込みだ。 日航によると、燃油サーチャージの基準となる昨年11月~今年1月の燃油価格の平均は1バレル=約64ドル。現行の基準となった昨年8~10月の平均価格から約50ドル下落したが、燃油サーチャージが廃止となる60ドル未満までは下がらなかった。 燃油価格は日航の運賃表で北米・欧州路線が5,000円となる水準だが、需要をテコ入れするため、経営判断で一段の引き下げに踏み込む。 航空会社は燃油価格の変動リスクを回避するため、先物取引を活用しており、日航はすでに21年度分について7割程度まで買い進めている。購入価格によっては燃油サーチャージの引き下げで損失が生まれる可能性もあるが、需要喚起で収益増につなげる考えだ。