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カテゴリ:秋田県 勝手に観光案内
初冬になり、皆さんのSNSでは今年の紅葉狩りの成果が多数発表されておりますが…
当ブログでは今だ夏の終わりに撮った画像をご紹介しております 前々回よりご紹介しております国指定史跡・世界文化遺産「伊勢堂岱遺跡」では、今年の公開は終わり、遺跡にはブルーシートをかぶせて越冬の準備を済ませたそうです。 展示施設の「伊勢堂岱縄文館」は冬期間も開館しているので、行ってみてくださいね。 その、春まで見られない「伊勢堂岱遺跡」の史跡指定エリアをご紹介します といっても、考古学はよく分からないので、雰囲気を感じていただければと思います。 史跡エリアへは、「伊勢堂岱縄文館」の北側に入口があります。 河岸段丘上に出土した遺跡なので、少し丘を登る形となります(史跡エリアはバリアフリーではありません)。 順路はここから階段のはず… 順路図では途中から階段を登ることになっているのですが、案内板が朽ちていて気付かず、作業用の道路をそのまま登りきってしまいました。 登り切ったところには、早速、環状列石がありました。 現在4つ見つかっている環状列石(ストーンサークル)の中では小ぶりな方。 史跡エリアの入口から、道を素直に登ってくると最初に目に入る環状列石です。 (順路通りだと一番最後) Wikipediaを見ると、環状列石Aからやや離れたところに日時計状組石があって「この組石の中心からストーンサークルAを見ると、夏至の日に太陽が沈む位置とだいたい一致する」との記述があります。 今のところここでは最小の環状列石。「環状」には見えないですね。そして、この奥は崖になっており、その下を鉄道(秋田内陸線)が通っています。 この環状列石Bは、「もともとはもっと大きかったが、戦前の国鉄建設時に気づかず削られた」とみられているそうです。一方、「そもそも未完成では?」という見方もあるそうです。 4つの環状列石の中で最も大きい。 当然、円形で出土したものと思いますが、現在は半分を埋めて保存しているようです。 円形のほか、2か所の出っ張りがあります。 環状列石Aと環状列石Cとの間では、掘立柱建物跡が出土。 三内丸山のような立派な復元ではありませんが、柱が立てられています。 一番奥に位置しています(順路通りだと一番最初)。こちらも半分が埋設保存になっているようです。 縄文の森 そしてこの奥には溝状遺構と空堀が見つかっています。このうち空堀は中世のものとみられるそうです。 見学時間終了ギリギリに散策したので、クマ出没の危険も考えて奥までは行きませんでした。 本来の順路を逆回りして、最初の階段の近くまでやってきました。 配石遺構 ちょうど、段丘斜面の上部にあります。 環状列石Aのところでちらっとご紹介した「日時計状組石」って、これのことかな? ということで、入口まで戻ってきました。 (トレーラーが走る道路は高速) う~ん、現地に説明板の類が全くないので、考古学初級者には難解、中・上級者向けの見学コースだと感じました。ジオパークのような説明看板の設置と順路の明確化を期待したいところです。 最後に、当遺跡最新の遺構(?)をお見せしましょう。 推定、いや、確定年代…平成。 ここを通るはずだった県道の橋脚 目下、この遺跡で最もシンボリックなランドマークかもしれません。 大館能代空港建設にあたり、能代方面とのアクセス道路として県道の建設が進められていましたが、その過程でこの遺跡が発見されました。 調査の結果こりゃ大発見だということになって、道路ルートが変更され、破壊を免れた遺跡はやがて世界遺産に大化けしました。 この橋脚(橋台かな?)も、一連の経緯の象徴的なものとして、土舞台という名称を与えられて保存されています。 ※橋脚の手前側の盛り土が「舞台」なのかな? ※奥に見えるオレンジ色の橋のような構造物は、大館能代空港の誘導灯。 ちょうど縄文小ケ田駅に列車が停車しました。 駅から遺跡までは、ほんのこの距離。ここまで駅に近い世界文化遺産は、国内では類を見ないかも? 秋田新幹線こまち号「角館駅」から急行「もりよし号」に乗ると、乗り換えなしで来られます。 皆さんぜひ、列車で縄文遺跡を見に来てください 国指定史跡・世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」構成遺産 伊勢堂岱遺跡 秋田県北秋田市脇神字小ケ田中田 遺跡は11月~4月下旬ころまで閉鎖 (展示施設「伊勢堂岱縄文館」は冬季も開館) 遺跡見学時間には制限がありますので、この時間内に見学できるようスケジューリングしましょう。縄文館の開館時間より短いので注意。 ※クマ対策と思われる。私も念のためクマ鈴を身に着けて見学しました。 列車・バスでのアクセス 秋田内陸縦貫鉄道「縄文小ケ田駅」より徒歩5分程度。 (積雪期間を除き、ショートカットルートを利用できます) ANA就航「大館能代空港」よりタクシーで5分程度。 マイカーでのアクセス E7秋田自動車道(無料区間) 秋田・能代方面からは「伊勢堂岱インターチェンジ」 東北道・大館方面から「大館能代空港インターチェンジ」 それぞれ5~7分程度。
青森・弘前方面からは、小坂JCTより秋田道に入り(小坂JCT料金所より大館方は無料区間)、大館北ICで市街地にお入りください。 大館能代空港IC(伊勢堂岱遺跡)方からは、大館南ICで市街地へ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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