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テーマ:鉄道(23002)
カテゴリ:駅・ターミナル探訪
撮影地としての「阿仁前田温泉駅近く」ばかりをご紹介しても申し訳ないので、今回は「阿仁前田温泉駅」そのものをご紹介します
阿仁前田温泉駅は、鷹巣駅から25.2kmの位置にあり、温泉施設併設駅舎として有名です。「阿仁前田温泉」といっても、周囲に温泉街があるわけではなく、駅そのものが温泉施設というわけです。 阿仁合線が鷹ノ巣方から延伸してきた昭和10年11月、「阿仁前田駅」として開業。開業からわずかな期間だけですが終着駅であったようです。 駅舎合築というか、建物内に駅施設を入居させた温泉施設「クウィンス森吉」は平成7年の暮れにオープンしたそうですが、駅名が温泉駅名になったのはつい昨年、令和3年のことです。 この駅では、ホーム立入りには入場券が必要。しかし、事務室には人の気配があるものの、窓口はカーテンが閉まり、車内精算の案内が出ていました。 なので、ホームへの戸を開けて首と手だけ出して構内を観察。 構内は1面2線の構造。此方のホームが鷹巣方面、向こう側のホームが阿仁合、角館方面です。跨線橋はなく、鷹巣方にある構内踏切で連絡。 Wikipediaの記述では、交換設備は国鉄時代に一旦撤去され、その後再設置されたそうです。ただし、各地の駅の配線を研究されている方のサイトによると、ホームは1面しかなかった模様です。 駅の裏には製材工場があり、楽器メーカー「ヤマハ」のグループ企業である旨の看板が見えますね。 私の手元にある「昭和39年版全国専用線一覧表」(ネコ・パブリッシング『レイルマガジン増刊 トワイライトゾーンマニュアル9』巻末付録)には、阿仁前田駅に専用線を接続している専用者として、秋田営林局とともに同社の社名が記載されています。 作業キロが0.2キロ(作業キロ0.4キロの秋田営林局線に接続)かつ、動力が「国鉄動車または手押」と記載されているので、本線に隣接した荷役用の側線のような線路だったのでしょう。 余談ですが、この昭和39年版一覧表では、阿仁前田のほかに、米内沢、桂瀬、阿仁合、比立内に営林署や私企業の貨物専用線がある旨記載されています。 駅正面入り口の階段状から駅前広場を眺めます。 まっすぐ正面にメインストリート…のような通りがストンと伸びています。沿道には商店や旅館が立ち並んでいたそうですが、その先は阿仁川にぶつかって行き止まり。 左手に進むと、前回・前々回とご紹介した小又川の鉄橋に至ります。歩いても10分かからないでしょう。森吉山ダムや小又峡方面、国道105号や遥か秋田市方面もこちら。 一方、右手にしばらく進むとやはり行き止まりですが、途中の交差点を左折すると阿仁川を渡り、こちらからも国道105号に出ることができます。ちなみに郵便局はこちらです。 階段のすぐ脇には、国鉄貨物取扱駅には鉄板のアイテム「日通」。 現在はプロパンガスの営業所になっているようです。 丸伊さんというお店はスーパーです。食料や飲料、お酒が手に入ります。 営業時間や定休日は調べてきませんでしたが、お昼前にはお惣菜も出るようです。 トレッキングやキャンプの物資調達場所として覚えておきましょう。 路線バスの発着もあります。 秋北バスは秋田県の北部を営業エリアとしているバス会社です。秋田県内大手3社のひとつです。 発着本数は上下合わせても10回に満たない回数ですが、行き先は4つあります。 根森田は、ここから出る4つの行き先で唯一内陸線と並走しない行先。小又川を5km弱上流に向かったところで、森吉山ダム着工以前はずっと奥地まで集落が点在し、バスも通じ、小中学校もありましたが、民家移転以降は小又川沿いの最終集落となった集落です(現在ダムより上流にお住まいなのは、おそらく宿経営の方々のみ)。 根森田バス停より森吉山ダム・森吉四季美湖まで登り坂ですが2km弱で歩けます(クマに注意)。 打当は阿仁マタギ駅より東側に行った「打当温泉」のこと。阿仁マタギ駅~打当温泉間以外は内陸線と並走する結構なロング路線です。 一方、「森吉庁舎」と「市民病院」はここから北へ向かう路線で、森吉庁舎は主力集落である「米内沢」にある旧森吉町役場、市民病院はそれよりも北に位置する「北欧の杜公園」(次回紹介)の一角にある総合病院で、通院需要用の便です。 路線としては ・森吉庁舎~阿仁前田~根森田 ・北秋田市民病院~森吉庁舎~阿仁前田~阿仁合~比立内~打当の2路線となっています。 偶然にも、バスが来ました。 根森田から森吉庁舎への便ですね。 秋北バス伝統のカラーを纏った、中型だけど短い車体のバスでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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