カテゴリ:真面目な話
建築家とマーケティングのカテゴリーの「私がなりたい真の商業施設建築家」の中で、
"技術編集者としての設計者"と、"表面的なリサーチをするデベロッパー"、"実現性の判断能力が無く自分の内面のみで終始するアーティスト"の組み合わせでは、なかなか有用でハードエッジなものはできない。 との一節があったが、それを株式投資に例えてみた。 >"技術編集者としての設計者"を投資家に例えると、 今年や来年の予想PER PBR PCFR ROE で投資対象を決める。人の心ってもの、読みってものが反映されていない。株式投資は深層の流れの変化を先取りする勝負。 >"表面的なリサーチをするデベロッパー"を投資家に例えると、 この意味する事は、予想通りのリサーチ結果が出ると安心して喜ぶタイプ。本来無駄金使ったと悔しがるべきなんだが。 あるいは、社内決済が非効率なしくみで、どうしても物わかりの悪い社内重役を説得する道具になってしまってるリサーチ。浅い解釈で理解しやすく、予想通りな事が好まれる。 これを投資行動に例えると、松井証券が話題になっている2年前位に、これからは"ネット証券だ"というリサーチ結果を出してしまう。そんなのみんな知ってる。 "ネット証券だと値段が安くできる"までしか読んでいない。その時分に松井証券買っても今1.3倍位にしかなってない。 参入障壁低いんだから、過当競争は目に見えている。唯一安いだけが売りなんだから。 表面的でない、深いリサーチとは、 ネット証券経由の売買活発になる=個人が積極的にハイリスクハイリターンを求める社会になる。 と読み、それに比例して、収益の上がるのは何か?と考えれば証券担保貸金とわかる。 個人信用取引をサポートする、日本証券金融や大阪証券金融だ。 そのなかでも、個人好みの銘柄の取扱比率の高いほうは、大阪証券金融である。 低いPBRやPERを見れば、まだ未注目であるのは明らか。 その後の推移は、この2年マスコミ等にも取り上げられず、誰も推奨せず、ブームにもならずであるが、すでに株価は着実推移で3倍である。(ご馳走様!) 表面的なリサーチではこのような投資行動はできない。 >"実現性の判断能力が無く自分の内面のみで終始するアーティスト"を投資家に例えると、 これは、インターネットが進む事による未来生活に感動して、その関連銘柄に集中投資するタイプ。ITバブルで大損したりする。 広い視野での合理的な思考が苦手。 株を買う主体は今や外人。国内機関投資家は、もはや、腰抜けである。 外人から見て日本のネット系ポータル会社は魅力的にみえるだろうか。基幹技術はアメリカのものを使い、唯一のUSPは"日本に住み、日本語が話せる社員ばかりだ"というていど。 (ム-ドで買う個人以外からは、魅力的に見えないから買収されないという強みもあるが) しかも、NETはグローバルな競争にさらされやすい。また、差別化しにくい労働集約型のシェア至上世界。ある日突然新技術や、人気コンテンツを他社におさえられれば、奈落の底の危険もある。 世界を見渡せば、ネット社会は進行するだろうが、ネット利用はあたりまえになるだけの話。日本人は全て日本の共通語を話すということと大差ない。ネットのみで収益をあげようとすれば過当競争になる。 それよりも大きい世界の流れは、ネット社会になったことも一因で、世界中の食うや食わずの貧民が普通の生活へ向けて進み出した事である。 しかし、40億人ともいわれるそれらの人が、当たり前の生活ができるための準備はできていない。というより資源として、地球環境として、根本的に超える事が不可能に近いくらい厚く高い壁がある。そこに、普通じゃないと気づいた民衆の巨大な波が打ち寄せている。 この歪みの中に、マルチプルな収益が潜んでいると考えたほうがいい。 その背景で日本企業を見渡せば、外人に美味しそうに見える投資先や買収先は、ネット企業でもなく、組み立て企業と化したブランド持ちの企業でもなく、製品の中に含まれるコアな技術や部品製造力や製造技術を持つ企業である。 発展途上国は、例外なく、国産ブランドをつくりたがっている。だからブランドだけで売ってる企業は苦戦する。インテルインサイド作戦が良い。 あるいは、キーとなる、金属他資源を押さえている企業。あるいはその周辺企業(例えば高い技術力を持ったなんらかの素材生産企業や生産財生産企業)。 あるいは、日本のように成熟した消費者が沢山いて初めて生み出される、ハイレベルな感性を表現した商品やコンテンツを生産できる企業。大きな壁に阻まれている途上国からは、このうえなく魅力的に見えることだろう。 ●このように考えると優秀だといわれるビジネスパーソンがいても、その人が株式投資が苦手なら、ある意味眉唾である。 ある意味というのは、戦略思考は苦手でも、ビジネスで実績を残せるのなら、比類なき戦術パワーを秘めているかもしれない。 例えていうなら、法律を極めた人は、警察官より裁判官がふさわしい。投資家の社会的意義は、裁判官と似たものである。 日本の将来は、個人投資家次第。個人投資家の成熟にかかっている。 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.12.21 22:48:53
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