テーマ:暮らしを楽しむ(388154)
カテゴリ:建築家とマーケティング
今日はヘビーな話なんで、疲れてる人なんかは、ちょっとづつ読むほうが良いかとおもいます。
また、一粒で沢山楽しみたい方も、ちょとづつ読まれて、次の展開を"もやーっ"と考えたあと、次を読んでいったほうが良いんじゃないかな。 そのために、丁度良い所で----------の線いれときますんで、そこで一休み。。 今回は、part3で、「重要な1軸の中に、さらに無限に広がる構造を考えてみたりしたいです」と大胆にも約束しちゃったんで、それを書こうと思います。 私が昔関わったある研究の中の1つの発見の話です。マンション購入者のマンションに対する評価構造を調査した時の話です。7次元空間の話の時にちょっと触れましたが、「開放的な快適さ」というファクターが最も「満足度」、「好き」に影響を与える事がまずわかりました。折りしも、ひがみっぽいフランス人から「日本の住宅はウサギ小屋」などと言われた時代から、10年も経っていません。調査は相当膨大な項目とサンプル数で、文部省のハロー効果や資金も使って行われました。SPSS多変量解析も、当時はスーパーコンピュータにパンチカードでDATA入力して、音響カプラで使って、フォートラン、TSSでやっていたような時代です。 ※補足 (尤も、「第二次大戦中に、有効な占領政策を調査するために、陸軍が手計算でやろうとして、1年以上かかってしまって、結局終戦してしまった」という時代に比べればすごい進歩だと教えられました。) そこで、かなり不可解な事が発見されました。「開放的な快適さ」のファクターには、広さ(面積)は当然、高い相関係数があるわけです。しかし、同じ面積、同じ家族構成で見てみると、満足度の評価に理解できないばらつきがあるわけです。しかも、「なぜ満足できないか」の設問には異口同音に「広さの不足」を消費者は揚げるんです。じゃあ、なぜ満足する人がいるんだろう。価値観や育ちだけじゃ説明できない。 そこで、もしかしてと思って、乗用車の保有台数で分けて、またしても音響カプラを使って計算してみました。すると、見事にばらつきが解消されました。 保有乗用車0台だと、いくら家が広くても、家の広さに不満足なんです。さらに、消費者は乗用車が理由だとは、全く気づいていないんです。 (その後、公団住宅の駐車場仕様がグレードアップし、マンションに於ける、駐車場に関する色んな法規ができました。) ※補足 (仮説ですが、住宅の事を聞かれても、まず無意識の感情を参考にして、単に身近な事に理由をこじつけてるだけなんです。 調査なんて、中途半端だとこじつけ部分を結論にして終了です。調査を有効にするには、相当の覚悟と、解釈力と、労力が必要です。) これで、何を思いますか? 人気blogランキング --------------------------------------------------------------------- 私は何も、「より良い住宅選び」なんてもんを話題にしたいわけじゃありません。そんなものは、相対的で、流動的で、文化的で、主観的です。「○○であるべき」などと論ずる意味の無いものと私は考えます。 私が問題にしたいのは、自動車産業の方が、こんな調査を行う可能性は皆無である! ということなんです。 だから、エスティマなどの、家族の居住空間を車にもってくるコンセプトを持った車が発売されるのが、それから5年位経ってからなんです。 ビジネス理論では、これを「戦略的自由度」と名づけてるそうです。 価値を実現する色んな手段があるという簡単な事なんですけど。。 ※補足 (これが、理論として存在する事自体を始めて聞いた時には、ちょっと当惑しました。 なにしろ、建築とかデザインは、元々、戦略的自由度とレトリックと無意識を、てんこもりに固めたようなもんだと、私は考えていました。 でも、敢えて意識してないと、ついうっかり見逃してしまうと、意義を認めましたが。。) --------------------------------------------------------------------- これで、色んな事がわかります。 そもそも、脳や心は、現代でも未解明なのです。 7⇒3について、肯定も否定も証明できない事1つをとっても納得してもらえるのでは。 脳や心はわからない×常に変化する×環境による=無限の広がりと深さ! なんです。 つまりわからないという事がわかる事が進歩人であり、ホリエモンのようにわかった風の事言って突っ走る人は必ず頓挫します。たった一つの"人望マルチプル"のお話でひっくりかえされる事でも容易にわかります。 調査や、聞き取りをやっても、その対象が自分の事をわかっていない事のほうが多いのです。最後にマーケットインの提供側想像力と長期的で大胆な研究がなければ、成り立たない時代なのです。マーケットアウトブームは、必要な情報収集の一つとして、当たり前になるだけで、それを、ビジネススタイルと称する人はいなくなるでしょう。ポッと出の短期的流行は別ですけど。 また、ビジネスの対象は最終的には人であり、そのウォンツは、多次元的に繋がり、無限に増殖変化します。専門性に頼るだけでは、カオスの中の真理は明らかにならないのです。 多数の専門による多角測量で、"あくまで現在の"の特定ターゲットのウォンツがやっとおぼろげながら見える時代です。 言い方を替えれば、文化や精神も含めた広い意味での 能動的な生活大家である事が価値を持つ時代なんです! ハングリー精神だけが売りの某国とは違う次元に入ってるわけです。 それは、"分けない事"で初めて見えます。特に商業施設建築家のように、カオスで、総合的で、変化が激しい割りには、長期的な成果を期待される職業の人は頑張らなきゃと思いました。 俺もまだまだです。っていうか終わりが見えません。それが楽しいんですけどね。 ここまで読んでくれてありがとうございます。また、気軽に読もうと思ってた人、重い文章でごめんね。 多少は役にたったと思われた方はよろしく! 人気blogランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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