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 年というべきか歳と書くべきか。いずれにしても、年の話はとかく揉め事のもとになる。いい日本語を書くにはやはりそれなりの読書量が必要だという話をしたら、とたんに○か子さんが○さ子さんを挑発した。
「○さ子さんのように年取ってる人は、きっとたくさん読んでるにちがいない」

 すると、○さ子さん「何言ってんのよ。私はあんたの年でも、あんたなんかよりずっとたくさん本、読んでたわよ」


 それにしても、この二人、年の話が出るたびにこういうやり取りになる。これだけ言い争っているのに、実にさわやか。陰湿さなどみじんもない。こんなやり取り、「若く」なければできるものではない。

 現に、年だと言われている○さ子さんだって、ぼくより10歳も若い。

 ぼくも3年前に半世紀を超えてしまった。この年になると、さすがに自分が生きている時間に対する感覚が若い時とはちがうものになってくる。さいわい、ぼくの場合は若い頃目標にしていたことをある程度、達成してしまった。
そのせいか、年を取ることが昔ほど怖くはなくなった。それでも、あと10年かせめて5年早く、ここまで来ることができていればという思いはある。

 20代の後半にすでにある程度のものを築いていたつもりでも、いつの間にかこの年になってしまった。30代で始める人はともかく、40代で始める人はきっと大変にちがいない。

 大変なのはわかるけど、自分のことに汲々とするのではなく、少しは他人の年も考えてほしいと思う。

 わかりやすい話から始めよう。おばあちゃん、おじいちゃんがもう長くないというときや、親が病気で明日の命も知れないとき、結婚式を早める人がいる。当然、生きているうちに自分たちの晴れ姿をみてもらいたいからだ。

 スポーツの大会で快挙を達成したのに、わずか数日前に肉親や監督が亡くなり、やむなく墓前に報告する人もいる。

 といっても、ぼくが生きているうちに一人前の翻訳者になった姿を見せてくれなどと、親心でモノを言っているのではない。ぼくはもっともっと自分勝手なことを考えている。

 翻訳の仕事を始めたのが20代後半。30代は、仕事を干されてはならじと、ひたすら上をめざした。この世界にいるのはみなすごい連中ばかりだと思っていた。本当に必死だった。ところが、そのうちに、実はそうでないことがわかってくる。ちっともすごくないどころか、あまりにもひどい。駆け出しの時以来お世話になっている翻訳会社の人がこんなことを言っている。「某出版社が出している翻訳者ディレクトリというのがあって、うちのトライアルで箸にも棒にもかからなかった人が、そこには堂々と○○翻訳事務所という名前で載ってるんです」 同じ会社から、別の翻訳者に頼んだロシア語の翻訳がどうも怪しいのでチェックしてほしいという依頼があった。チェックなんかではとても間に合わないで一から訳しなおしたら、その人曰く。「とても同じ原文を訳したとは思えない」

 そんなものは氷山の一角にすぎない。見てしまったからにはもうあとには引けない。30代がひたすら上を目指す10年なら、40代はそのひどさを暴く10年、50代はこの世界を徹底的に破壊する10年、さらに次の10年は再構築する10年になる。もちろん、それが実現すれば、ぼくの受講生のようにきちんと勉強している者たちが、安定して仕事を取れる時代がやってくる。

 そういう意味では、他人のためにもなることでもあるのだが、ぼくが自分勝手なのは、もっと別の理由によるものだ。ぼくは別に他人様のために奉仕することを人生の目的にしているわけではない。本当にやりたいことが別にあって、ただ翻訳業界をこのままにしておいたのでは、心置きなく好きなことができないから破壊して作り直してやろうと思っているだけなのだ。

 何かを破壊するには相当なエネルギーがいる。それを考えると、受講生たちはまだまだ力不足だ。

 力が足りないだけでなく、ひたすら自分のペースを守っている人があまりにも多い。自分のペースで進まなくてどうするんですかという反論もあろう。

 そんな人には、「でも、風邪をひいたら休むでしょう」と切り返したい。どうしてか。人生はレースであるからだ。風邪をひいて休むのも、ここはペースを落として自重するのが得策だという判断があればこそである。

 だから逆に、かなりきついけれども、ここでこのペースについていかなくてはもったいないと思えるような集団に出会うこともある。

 ぼくの作った集団のペースは速すぎるだろうか。だけど、自分の年齢と、これからやりたいことを考えたら、けっして速すぎることはないはずだ。それとちょっぴり、ぼくの年齢も考えてくれるとありがたい。



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最終更新日  2006年09月08日 16時55分50秒
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