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カテゴリ:翻訳
新潮新書に多言語学習について書いてある本を見つけた。
著者は井上孝夫さん。 そのなかに、ある翻訳会社の主宰で翻訳ペンタスロンなるものに参加し、見事優勝したとの件がある。 翻訳ペンタスロンとは文字通り、必須、選択を含めて5言語を翻訳し、総合得点を競うものである。 翻訳ペンタスロン 翻訳ペンタスロン どこかで聞いた名前だなあ。ちょっと待て。それはぼく自身が10年以上も前に主宰したものではないか。『通訳。翻訳ジャーナル』と『翻訳の世界』に広告を載せて募集した。優勝賞金は3万円。さすがに『時事英語』だけは、5言語同時翻訳の意義に首を傾げたのか、広告は没になった。 ぼくも実は、この催しに大きな期待を抱いていた。全国からいったいどれほどすごい多言語学習者が集まってくるか、それがすごく楽しみだった。 ところが蓋を開けてみると、優勝した井上さんと二位になった女性の方以外はほとんど見るべきものがなかった。 曲がりなりにも、ポーランド語やオランダ語などを訳しているのはいいのだが、まったく日本語になっていない。 こんな訳文、いや非文を見るために翻訳ペンタスロンを開催したのではない。そう思った。 その意味では、井上さんの楽勝だったわけだが、ご本人はそんなことなど知るよしもなかっただろう。 まさか、こんなかたちで、あの時の優勝者に「再会」するとは思ってもみなかった。 学習した言語、実に100を超える。 数をやればいいというものではないが、この人はことばが本当に好きなんだなあと思う。ひとつひとつのことばに愛情を注ぐように、きっとそれぞれの民族にも同じように愛情を注いでいるにちがいない。 ←ランキングに登録しています。クリックおねがいします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年12月01日 00時22分15秒
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