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カテゴリ:翻訳
ソレイアHP「講師の雑記帳(4月13日分)」から転載)

 翻訳講座はむずかしい。人は知識を求めてやって来る。そんな人たちに、知識ではなくモノの考え方を伝えなければ、講座の目的は果たせない。それには、スポーツにたとえるのがいちばんだ。アテネオリンピック体操団体の金メダルはまたとない材料だった。小学生の頃から体操を習っていた者たちが快挙を成し遂げた。コーチは年端もいかない子どもたちに派手な技を教えたわけでない。手足をピンと伸ばすこと。いわばその体操の基本と言うべきものを徹底的に練習させた。土壇場で勝利を呼び込んだのは、その地道な努力だった。翻訳も同じだということを、少しはわかってもらえただろうか。

 今年また、スポーツについて話す機会が巡ってきた。3月31日の講座で団体パシュートの話をしようか、荒川静香の話をしようか、ずっと迷った。いささか騒がれすぎたということもあって、荒川静香の話はやめることにした。それでも、心につかえていたことがある。翻訳を志す人たちにこそ、漫然と演技を見るのではなく、得点の内訳を見てほしかった。もちろん、運もある。ライバルたちのミスもある。だが、純然たるスケーティング技術は荒川静香の点数がいちばん高かった。これだけはぜひ知っておいてほしい。運もまた実力のうちと言うのは、そういう基本の裏づけがあってこその話なのだ。

 やはり、このことは絶対話しておくべきだった。そう思いながら、品川駅で帰りの新幹線を待っていると、そこにいたのは何と、荒川静香その人であった。オリンピックのメダリストまで1メートル以内の距離に迫ったのは、ロサンゼルス、ベルリン両オリンピック棒高跳び銀メダルの西田修平、メキシコオリンピックマラソン銀メダルの君原健二、同銅メダルのマイク・ライアン、モントリオール20キロ競歩金メダルのバウチスタ、バルセロナ50キロ競歩銀メダルのカルロス・メルセナリオに次いで、6人目。

 ほとんどの人が気づかずに通り過ぎていく。それもまた、見事な技と言うほかない。いったん陸に上がれば、氷の上の世界のものは何ひとつひきずっていない。翻訳もこうでありたい。

 果たして、その人は名古屋で降りた。翌4月1日は当地のレインボーアリーナでフィギュアスケートフェスティバルがある日だった。


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最終更新日  2006年10月04日 11時19分42秒
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