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 趣味を仕事にすれば、趣味がひとつ減る。


 まさに至言である。まだ二十歳だった頃、その自分よりもさらに若い者から、このことばを教えられた。

 人が仕事を選ぶ時、3つの基準を念頭に置いて考える。収入と、将来の保障と、生き甲斐の3つである。

 翻訳なんてものを選んだ日には、それこそ収入は低く、将来の保障はまるでない。

まあ、それは自分の選んだ道だから仕方がない。だから、そればかりは早々と企業の庇護の下に入った者たちに勝てないにしても、生き甲斐だけは負けないはずだった。ところが、「趣味を仕事にすれば、趣味がひとつ減る」の理通り、それすらもあえなく潰えてしまった。

 それでも、諦めずに続けていると、それなりに生き甲斐だけはもてるようになった。だけど、なかなか収入は伸びなかった。市民税や健康保険料を納期までに納めたことなど一度もない。いつ何時、もはやこれまでという日が来るやもしれない。だからぼくには、天井から紐を吊るして、いつでも首を吊れるようにしていたというまことしやかな「伝説」がある。信じたい人は信じればいいし、信じたくない人は信じなければいい。ただ、一言言いたいのは、そういう覚悟で翻訳の仕事を始める人が少なすぎるということだ。

 そのうちに、収入でも同年代のサラリーマンを追い越した。

 この時、レースは終わったと思った。将来の保障とか、安定性なんてものはハナから考えていなかった。そういうものをサラリーマンや公務員と勝負すること自体、そもそもまちがっている。明日の身は知れないけれども、これでようやく半人前くらいにはなれた。


 ぼくみたいなことをしている人間は、だいたい世間から罵られる。昔の同級生からも、ちょっと話に口をつっこんだだけの行きずりの者たちからも。人生のこと、将来のことを何も考えていない欠格者だというわけだ。

 ところが、自由業をそんなふうにしか考えない者たちが次々にリストラに遭う時代がやってきた。 


 そうなると、仕事を選ぶ3つの条件のうち、サラリーマンたちの「最後の砦」であった将来の保障まで、その昔「将来のことを何も考えていない」と斬って捨てた者に追い抜かれることになる。自由業という選択はまさに一挙両得ならぬ一挙鼎得であったことになる。


 終身雇用を信じた者たちにとって、リストラはあまりにも悲惨である。それでは、われわれにとって痛快かと言えば、そうでもない。むしろ、ほろ苦い。何も別に、出し抜いてやろうとか、見返してやろうとか、そういうことを考えて生きてきたわけではない。将来の保障はなくても、やり甲斐があって、それにちょっぴり収入もあって、好きなときに好きなことができて、好きなときに好きな所にいける。それだけはこっちが勝っていると、自分は自分なりに胸を張れればそれでよかったのだ。

 3つとも勝ってしまったら、自分が人生のなかで大切にしてきたものがこれだというものがなくなってしまう。

 

それに、何といってもやるせないのは、終身雇用が崩れたのに、学校制度そのものや受験制度がゆらいだようには見えないことだ。それこそが、ぼくが本当に壊したかったものであるのに。

学校制度、受験制度というものがますます薄気味悪いものに思えてくる。終身雇用が崩れてなおも残る制度とはいったい何なのか。教育という世界、学校という世界には、教育委員会の不祥事が公になったくらいでは、とうてい暴ききれない深い闇がある。


終身雇用 崩れて酔えぬ 学の森


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最終更新日  2006年10月11日 22時53分37秒
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