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カテゴリ:翻訳
ホテルは奇妙な英語の宝庫である。これまで中国地方のホテルがいちばん凄いと思っていたが、仙台に来て極めつけとも言える英語を見つけた。
A use rate \1000.- Than check-in until AM 10:00 of the next day 部屋についているテレビの有料放送の説明である。 これはすごい。「ゆっくりおくつろぎください」をPlease relax slowly.とするなんてのはまだ序の口である。フランス語を知ってればフランス人の変な英語がわかる。スウェーデン語を知っておれば、スウェーデン人の書く英語は怖くない。それと同じで、日本語を知っておれば、この程度の英語はわかる。 ところが、日本語を知っているぼくにもThan check-in until AM 10:00 of the next dayはわからない。そもそも、なぜこんなところにthanをもってきて、いったい何と何を比べようと言うのか。 わからない、わからないと思って、匙を投げかけたとき、ハタと気がついた。 ちょっと待て。こいつは、「より」をthanと訳している。 なるほど、「チェックインより翌日午前10時まで」か。「もしもし」をif if と訳すより、こっちの方がもっとすごい。 そう言えば、日本人から(外人からではない)もらったメールにこんなのがあった。 「歩く辞書さまよりも、その方にお会いしたい旨、お伝えくだされば幸いです」 なぬ、このぼくはどうでもよくて、その方に会いたいというのか。よくもそんなことをぬけぬけと。これはいったい喧嘩を売る気なのか。ここでもまた、ハタと気がついた。この「より」は本来なら「から」ではないか。 「歩く辞書さまからも、その方にお会いしたい旨、お伝えくだされば幸いです」 けっして疎んじられているわけではないことがわかった安堵感よりも、日本語の将来への不安でいっぱいになった出来事だった。 ←ランキングに登録しています。クリックおねがいします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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