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空港に着いていちばん困るのは、白タクの存在である。もちろん、ぼったくりには気をつけなければならないが、それ以上にやっかいなのが、ちょっとゆっくり座ってこれからのことを考えたいときに、その余裕を根こそぎ持っていかれることである
西ヨーロッパの空港ではあまり見かけないが、地域によっては白タクが公然と横行している国がある。 マレーシアのクアラルンプルでは、昼食を食べられないまま、昼過ぎの中途半端な時間に着いた。空港で食事をしてから行こうかと考える間もなく、やっかいな野郎につかまってしまった。しきりにofficial ということばを口にする。そのofficailがまた曲者で、空港内にカウンターまである。これがいわゆる公然と横行する白タクだ。 ホテルまでの料金は結局、鉄道で市内まで行くのと変わらない。けっしてぼったくってるわけではないのに、ものすごく後味が悪い。 ルーマニアのブクレシュチではあまりにしつこいので、ついにルーマニア語でキレてしまった。 Vreau sa caut eu! 自分で探したいんだよお、オレは。 これには、さすがの白タクも恐れをなして引き下がった。いや、それよりも何よりも、周りにいた人たちが驚いた。 なにしろ、ふっかけてくる料金がガイドブックとあまりにもちがう。それを言うと、これはユーロ表示だの、古いだの、わけのわからないことを言う。すぐそこに見えるタクシーを指さすと、車があるだけで営業していないなどと、見え透いたウソを言う。 バンコクに巨大な空港ができた。なんでも成田の3倍はあるという。 JTBからの情報もあまりない。前の空港より都心から遠く、もしかするとタクシー代が1万円近くするのではないかと言われていた。 すると、空港の中になんと「白タク封じ」の案内がある。違法な白タクにつかまらないよう、ぜひ公認のタクシーをお使いくださいと書いてある。いくつかホテル名が挙げてあり、そこまでだとわずか700バーツ。 スーツケースを受け取ったあと、いわゆるお迎えの待つ場所に出る手前に、タクシーを申し込むカウンターが設けてある。これでは白タクは手も足も出ない。 なるほど、これは考えたなと思ったが、ちょっと待て。 これって、ただ政府に取り入った特定の会社を合法としただけのことじゃないのか。われわれのホテルまで900バーツとのことで、JTBから聞かされていた値段よりはるかに安かったので、そのときはあまり何も思わなかった。 ところが、ホテルから空港までのタクシーは500バーツだった。それにどうも、空港のタクシーって、空港を経営する会社のものらしい。 確かにこれで、空港についてから白タクにつきまとわれることはない。安心してタクシーに乗れる。でも、どこかしっくりとこない。何もかもが管理されてしまっている。 個人情報保護法と同じだ。あれができてから、確かに迷惑なセールス、勧誘は減った。まれにかかってくることはっても、「今の法律では、そういう情報は入手できないはずですが」と言えば、相手はビビる。 しかし、その陰でもっともっと怖ろしいことが進行しているような気がする。 結局、個人情報保護という言葉の下に、本当に知りたいことがことごとく封じられてしまう時代が来るのではないか。 空港に着いてからの選択肢を根こそぎ奪われてしまうと、思いはなぜかまったく関係がないはずの個人情報保護法に飛んだ。 ←ランキングに登録しています。クリックおねがいします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年11月25日 13時25分45秒
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