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カテゴリ:翻訳
 英語の点数もそう。クラスで1番なんて夢のまた夢。かろうじて平均点すれすれということも珍しくはなかった。
 その英語で生きていくなんて、絶対に不可能。語学で生きていくのであれば、何かほかの言語で勝負する以外に、道を切り開く術はないと思われた。
 まずスペイン語をやった。それだけでは不安で、フランス語もやった。イタリア語もやったけれども、不安は解消されない。そこで、ドイツ語も、ポーランド語もやった。オランダ語もやった。ロシア語もやった。
 それ自体、判断は誤っていなかった。
 翻訳の仕事をするきっかけになったのはスペイン語で、その会社から一気に大量の仕事をもらったのはイタリア語をやっていたおかげだった。しかも、単価は英語のほぼ2倍。副作用情報を中心に仕事はいくらでもあったうえに、イタリア語ができて医学がわかる翻訳者はそう何人もいない。
 ドイツ語をやっていなかったら、独立していちばん苦しい時代を乗り切れなかったにちがいない。〇〇社とのきっかけはドイツ語で、何しろ単価の高いのがいい。仕事のない時に10万円ほどの仕事がポンと入ってきて、支払いがものすごく早い。この会社とは20年以上のつきあいで、未だに「おいしい」仕事が入ってくる。
 6年間やっていたスペイン語の講師をやめた時、偶然が重なって収入が激減した。〇〇社に履歴書を送ったら、次の日に社長直々に電話があって、「ほお、ポーランド語がおできになるんですか。実は、今あるのはフランス語なんですが、お願いできますか」と言われた。
 履歴書を送った次の日に受注。ぼくが保持するかずかずの記録のなかで、この記録だけは今後も絶対に破られないと思っている。
 10年にわたって安定して受注できたのは、〇〇センターから仕事がもらえたからで、その試金石となったのがロシア語だった。もっとも、向こうが求めていた条件は「20ヵ国語で医薬の翻訳ができること」だった。多言語で勝負する戦略がピタリ的中した。
 〇〇社とのきっかけはオランダ語。その後、大量の仕事が出たときに、文体や用語等の統一の意味もあって、ぼくの受講生数十人だけでチームを作って使ってもらったことが何度かある。ぼく個人に限らず、受講生まで信頼してもらえるのは本当にありがたいことである。それもこれも、オランダ語が切り拓いてくれた。
 
 これが、井の中に住んでいた時に考えていた海の現実だった。
 もともと手に何もない者がこの世界で生き残るには、これだけのものが必要であろうと思っていた。その通りのことをし、そしてその通りになった。

 ところが、今自分の周囲を見るにつけ、あまりにも簡単に翻訳の仕事ができると考え、挑戦している者がいることに驚かされる。
 しかも、何の迷いもなく英語で勝負しようとしている。世界とはいったい、その辺の凡人が英語で勝負できるほど生易しいものであったのか。しかも、実際に仕事をもらって生活している。ぼくが井の中から思いを馳せた大海とはいったい何だったのか。
 
 井の中にいた時は本当に世間を知らなかったと思う。井戸の中にはすごい連中がいっぱいいたけれども、こうして大海に出てみると、案外たいしたことはない。それどころか、自分より明らかに力が劣ると思われる者たちが、レベルはともかく、次々に仕事を獲得している。海はそんなに広くない。

 まさに、「井の中の蛙、大海の狭さを知らず」である。


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最終更新日  2006年12月03日 18時54分19秒
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