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辞書も歩けば

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カテゴリ:翻訳

 英語力は幻想である。

 どうやったらそれをわかってもらえるか。ずんぶん悩んできた。
 
 思考力
 母語
 言語の本質の理解
 一般分野の基礎知識
 専門分野の基礎知識

 要はこれだけ。
 これだけのものが備わっておれば、辞書の完備している言語であるかぎり、どの言語でも翻訳できる。同じことを、水野麻子さんが「産業翻訳に英検はいらない」に書いている。

 別に材料が英語である必要はないのだが、猫も杓子もはげたかのように英語に群がるので、英語を材料に取ると、その材料を読み解くのに、英語の知識が必要だと思いこんでいる人がいる。正確には思い込まされている。もっと正確に言うと、だまされている。

 材料を前にして、そこにあるものが全部知っているものだと読み解くことができる。そのなかに知らないことがあると、もう読み解くことができない。

 いったい、そんなばかな話があるだろうか。
 初めて会った人がどんな人か、何も戸籍や履歴書、場合によっては他人のうわさなどがなければわからないわけではない。会って話をしているうにちにわかる。
 その人がどんな人か、それを理解する「作業」は会った瞬間から始まる。

 外国語だって同じこと。
 原文という材料を前にして、その瞬間から読み解く作業が始まる。
 文法なんてもともと、材料を読み解く手がかりすぎないものであるが、必要とあらば文法書に書いてある。知らない単語があっても辞書というものがある。巷で言われている英語力なんてものはせいぜい「Aという単語の意味がBであることが辞書に書かれている」というくらいのもので、そういうことを1000知っているか、5000知っているかが似非宗教たる英語力教の説く英語力である。
 ひとつの単語には無数の「顔」がある。たとえば、consequence ひとつをとっても、実にさまざまな単語とともに使われ、実にさまざまな場面に出没する。そうして、consequenceに出会うたびに、consequenceへの理解が深まる。
 原文に出会ったときに、その単語を知っているかどうかではなく、原文の中で、その単語に出会うことが、その単語を知ることにつながるのである。
 翻訳の力、外国語の力というものは、そういう経験の積み重ねでしかない。

 経験の積み重ねがあれば、はじめて出会った単語でも、どうやって「征服」していけばよいかがわかる。

 その「読み解く」力こそが本当に必要な力である。
 犬山市が「学力とは自ら学ぶ力」であると言って文部省に反旗を翻し、水野麻子さんが「産業翻訳に英検はいらない」とはっきり宣言した今こそ、英語力という幻想に本陣に一挙に攻め入るときではないか。

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最終更新日  2007年05月06日 09時06分33秒
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