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カテゴリ:翻訳

 引退願望(1)

 ぼくが翻訳の仕事をするようになって、いちばんの失敗は何かというと、冷静に考えれば簡単にわかるようなことに、実際にその状況に立たされるまでまったく気がつかなかったことである。
 
 いくつも言語ができるようになれば、まず失業することはない。フランス語の仕事が少なくなれば、ドイツ語の仕事で何とかしのげるだろうし、ドイツ語の仕事が少なくなれば、ポーランド語が救いの手を差し伸べてくれる。
 これはまさにぼくの独創であると思う。
 そんなことくらい、だれでも思いつくと言うなかれ。ちゃんと実行に移したのだから、言い換えれば、最後まで読みきってそうしたのだから、やはりぼくの独創である。
 25年前、大学の先生にも先輩にも、翻訳の仕事をしたいと思うのであれば東京に行くしかないとまで言われた。
 いくつもの言語をモノにすることによって、その「常識」を覆したと思っている。

 計画は完璧だった。ところが、たったひとつ、肝心なことを忘れていた。
 ぼくはそのとき、完全犯罪をくずされた容疑者のように、呆然となってしまった。

 確かに食いっぱぐれはなかった。
 一度に九社から7言語を受注して、ちぎっては投げ、ちぎっては投げしていた。

 ところが、肝心なことを忘れていた。自分が苦しいときに助けてくれる人がだれもいないのだ。
 
 こんな簡単なことに、どうして気がつかなったのか。
 仕事を取ることばかり考えていて、集中したときのことを何も考えていなかった。

 そのときから、ぼくのなかに引退願望が芽生えはじめた。
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最終更新日  2007年05月29日 20時12分44秒
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