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 「勝ち組、負け組」という失言

 勝ち組、負け組ということばがある。
 
 だれが最初に使ったか知らないが、アホの一言に尽きる。政治家の失言が頻繁に取りざたされるなか、このことばが失言として槍玉に上がらないのは不思議なことだ。

 だいたい、世の人たちは表面的なことには敏感だけれども、たとえばあることばが人びとの意識下でどのようにその人たちの思考や人生観を操っていくかに関してはまるで無頓着である。
 婦人の婦という漢字と、「男同士の約束」ということばとでは、男女平等という観点からどちらが罪が深いか。
 婦人の婦は、女性が箒を持っている姿を文字にしたもので、男女の役割を決めつけるものだという人がいる。
 確かに、そういう歴史を物語っている文字ではあるが、この文字を見て「女性は掃除をするべき存在」などと思う人がいったいいるだろうか。
 一方、「男同士の約束」はどうか。ちなみに「女同士の約束」、「男と女の約束」ということばは、少なくとも成句にはなっていない。
 中学生のとき、ある場所に来ることを強要するやつがいて、しぶしぶ首を縦に振ったときにそいつがこの「男同士の約束」ということばを口にした。その瞬間、すご~くいやな思いがして、逆に絶対行ってやるものかと思った。これって、男の方が女より優れているという前提がなければ成り立たない科白じゃないのか。
 こんなことばを聞かされていると、知らず知らずのうちに男性優位という感覚を植えつけられてしまう。
 あるフランス人女性の息子が皿洗いをしているのを見た日本女性が「男なのにえらいねえ」と言った。それを聞いて、その女性がキーっとなったのは言うまでもない。

 話は戻って「勝ち組、負け組」、もう一度言うが、アホの一言に尽きる。
 金と金との勝負である経済でさえ、単に勝つか負けるかではない要素がある。儲かるか儲からないかだけではなく、どんな生活がしたいかが経済の根底にあることは、ホリエモンの事件を機にあちこちで言われたことではないのか。
 経済ですらそうなのに、まして人生。
 もちろん、人生にも勝つか負けるかという冷徹な要素があることは否定しない。しかし、そうではない面もあることもまた事実である。
 本来、そのうちのどれをどれだけ重視するかは個人の自由であるはずだ。

 ところが、その自由さえあざ笑うかのように、いくらきれいごとを並べても要するに人生とはこういうものなのだと、意識の底から支配してしまおうとするのが、この「勝ち組、負け組」ということばである。下品で卑劣、やくざだって、もう少し仁義をわきまえている。
「成功者」ということばには、目標を達成した者を褒め称えながらも、人生はけっしてそれだけに終始するものでないという考え方を受け入れており、つつましく、ただ目の前にある仕事をこなしてきただけの者には暖かい視線を注ぐ余裕がある。

「勝ち組、負け組」、この愚劣なことばの前には、政治家の失言が「色褪せて」みえる。

 
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最終更新日  2007年07月23日 18時34分00秒
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