Johnny B. Goode
◆本作のオープニングの時計コレクションが並ぶシーンの中にドクをイメージしたと思われる、人形が針にぶら下がっている時計があり、後のシーンを暗示している(ハロルド・ロイドの『要人無用』のオマージュか)◆マーティの部屋に貼ってあるポスターは、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースが1983年に発表したアルバム『スポーツ』である◆序盤の1985年のシーンで、トヨタの「ハイラックスサーフ」が、マーティーの「憧れの車」として登場し、巻末ではマーティーの愛車として登場する他にも、当時の最新型の「スープラ」や「ターセル」も1985年のシーンのいたる所に登場する。◆家に戻ったマーティーが,ジョージがビフに文句を言われているのを眺めるシーンで、ビフがマーティーの側にあるお菓子を食べるが、この量がその前に映ったコマより不自然に減っている(前のコマでのお菓子は瓶一杯だったが,ビフが食べる時には既に7割ほどになっている)◆1985年にドクとマーティがデロリアンの実験をしたのは「TWIN PINES MALL(ツイン・パインズ・モール/二本松商店街)」の駐車場だったが、1955年にタイムスリップしたマーティが、当時その場所に家と農場「TWIN PINES RANCH(ツイン・パインズ・ランチ)」を構えていたピーボディ氏の栽培する松(二本松)のうちの一本を轢き倒してしまったため、1985年に戻ってきた時には「LONE PINE MALL(ローン・パイン・モール/一本松商店街)」に看板が変わっている。代表的なタイムパラドックスの例をさりげなく表現している◆タイムマシンのテストの際、マーティが撮影に使ったドクのビデオカメラは日本ビクター製で「JVC」の文字が確認できるまた、時間計測に使われたデジタル・ウォッチは、ドクの持っていたのがセイコー製、愛犬アインシュタインが首から提げていたのはシチズン製それぞれ「SEIKO」「CITIZEN」のロゴが確認できる。◆ドクは愛犬アインシュタインを乗せたデロリアンを1分先の未来に送るが、実際には1分20秒経過している◆マーティがリビア人に発砲を受け、デロリアンに飛び乗るシーンはエリック・ストルツの映像を使用している◆マーティが1955年の建造中のリヨン団地を発見した後に老夫婦が乗った車が通り掛かり、助けを求めても拒否されるシーンがあるが、これはスピルバーグ監督の『激突!』のオマージュである◆タイムスリップに必要な電力は1.21ジゴワットと言っているが、これは共同脚本家のボブ・ゲイルのミス本来"gigawatt"(ギガワット)と書くべきこの単語の綴りを、ボブは"jigowatt"だと信じ込んでおり脚本にもそう書いてしまった、とDVDのコメンタリで認めているなお、1.21ギガワットは121万キロワットであり、これは本作品が公開された1980年代以降に建設された国内の原子力発電所の発電用原子炉1機分の電力とほぼ同じちなみに落雷一回の電力量は10kWh~500kWh程度であると言われている。落雷は長くても1秒程度の間に終了するので、この間の電力(仕事率)は36MW~1.8GWと考えられる◆1955年のカフェでマーティが注文する「タブ(tab)」は、アメリカでは1962年に発売(日本では未発売)。マスターが勘定(tab)と勘違いしたのは未発売のためまた、ジョン・F・ケネディが大統領になる5年前の為、「ジョン・F・ケネディ通りか」との台詞に対し「ケネディって?」との台詞がある◆マーティが1955年のジョージの家に忍び込み、宇宙人に成り済ましてジョージを脅迫するシーンでは、『スター・ウォーズ』でお馴染みのダース・ベイダーや、『スタートレック』でのバルカン星の名が登場する(右手でヴァルカン・サリュートをしている)またこの時、マーティは自らを「宇宙人」という意味で「extraterrestrial(『E.T.』)」と自称している◆その脅迫にマーティが使用した“拷問器具”のカセットボーイとヴァン・ヘイレンのカセットテープは、1984年にロレイン役のリー・トンプソンも出演していた映画『ワイルド・ライフ』(日本未公開)のためにエディーに書き起こされた曲からの抜粋現在までにアルバム等に収録されておらず日本で聞くことは不可能といっていいちなみにヴァン・ヘイレンは続編のパート2でサントラを提供している◆マーティが1955年のステージで演奏するギターはギブソン社のES-345このギターは1959年に発売されたもので当然1955年には存在しない。また、ハムバッカーも開発されておらず、当時のギターに載っていたのはシングルコイルのピックアップマーティが使用するのはビグスビーのビブラート・ユニットを後から装着したものであり、ストップ・テール・ピースのポストが残っているちなみにこのギターはジョニー・B・グッドの実際の奏者チャック・ベリーが使っているモデルであり、そこに由来する。◆マーティがラストのダンスパーティで演奏する『ジョニー・B・グッド』はチャック・ベリーの曲であるこの曲は近代ロックンロールの原点とされており、1958年に発表された曲だったしかし、1980年代のアレンジを加えたため「君らにはまだ早かった。でも君らの子供は分かる。」というセリフにつながる演奏中にバンドのボーカルのマービン・ベリーが曲を紹介するために電話をかけた相手が従兄弟のチャックということになっており、チャック・ベリーはこの電話で曲を聞いてジョニー・B・グッドを作ったというネタになっている◆1955年で両親と別れる際、母親のロレインが「マーティって良い名前ね」と言い、長男にマーティという名を付けるらしい様子を見せるが、マーティは次男で末っ子であり、長男はデヴィッドと名付けられているこれは、1981年にできた当時の脚本では子供はマーティ一1人だったため。その後、マーティと親の年齢が離れすぎたために三兄弟の末っ子という設定が新たに付け加えられたロレインのこのセリフはその名残◆1955年から1985年に戻るシーンで、マーティが「タイムマシンで10分前に戻せば知らせられる」という台詞があるが、実際には11分戻しているしかも、キーパッドは全く別の場所を押している