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カウンター越しに・・・

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2007/05/22
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カテゴリ:カテゴリ未分類



「マスター、ジントニック下さい。」
「ヴィクトリアン・ヴァットで作ってもらっていいですか?」

はい。^^

グラスにライムを絞り、氷を入れる。
ヴィクトリアン・ヴァットを注ぎ、トニックで満たす。
バースプーンで、ジンを浮かせるように軽くステア。

お待たせしました。^^


ジントニック


彼は、音楽に耳を傾けながら、静かにグラスを傾けていた。

僕も、グラスを磨きながら音楽を聴いていた。


グラスのジン・トニックが3分の1位になった頃だろうか、
静かだった彼が口を開いた。

「マスター。」
「この曲、好きなんですか?」

はい。^^
好きです。どうして?

「以前、来た時もかかってたから。」

そうでしたか。

「その時、初めて聴いてね、ドキッとして、
 一目惚れして、スタッフの人にアルバムジャケットを
 見せてもらって、すぐに買いに行こうとしたんです。」

スタッフもこのアルバム好きだから。^^

「いいですよねぇ。」

いいですねぇ・・
じゃぁ、今は家でも聴いてるんですね。

「・・実は買ってないんですよ。」

そうですか。

「でも、聴いてますよ。^^」

はぁ?

「・ジャケットを見せてもらった時にね、あれっ?!って。」
「見た事あるような・・って気がして、引越しした時のままになってる
 ダンボール箱の中を探してみたんです。」
「そうしたら、やっぱりあったんですよ。」

「・・・」

「前の彼女に、”すごくいいから聴いて見て!”って
 言われたCDで、ずーっと聴かずにいたんです。」
「ピアノをやってた彼女でねぇ・・・」

「なんか甘酸っぱいような切ないような気持ちに
 なっちゃいましたよ。ははははっ。^^」

確かに甘酸っぱいですねぇ。^^

「あの時に聴いてたら、なんか変わってたのかなぁ・・」

「ココ!!」
「思い出の場所になっちゃいましたよ、はははっ。」

いいお話をありがとうございます。^^

「マスター、おかわりを!^^」

はい。^^



また、静かに音楽が流れ出した。

ビルエヴァンス

『Bill Evans Trio』
♪Waltz For Debby








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Last updated  2007/05/23 02:17:31 AM
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