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やほ~
昨日の日記の宣言通り、とっても昔に書いた小説でも気まぐれUPなのら ホント適当にかいたやつにゃので、フリペにも上げません まあ暇つぶし程度に読んでいただければ嬉しいです(笑) タイトルは「平家物語演義」! 古典の授業中に、意外と平家物語っておもしろいんじゃね?って思った時に書いたモノです それでは、ドゾー↓ * * * * * 平家物語演義 「木曾の最後 其の1」 ―朝日将軍と名乗った義仲は京の軍政に失敗し、それに見かねた後白河法皇は源頼朝に義仲追討の銘を下す。義経らに打ち破られた義仲は、今日を敗走し、寵愛する巴を連れて、琵琶湖畔で今井四郎兼平と落ち合うー 「さて……と」 木曾左馬頭、源義仲は馬上で息をはいた。 と、同時に大きく息を吸い、鐙を踏ん張って立ち上がる。 そして 「昔はうわさで聞いただろう木曾を、お前たちは今目に見てるはずだあっ!お前は甲斐の一条次郎と聞くが、互いに手柄を立てるにはいい敵じゃあないかあっ!この俺を討って、頼朝に見せるがいい!!」 と、雷鳴のごとく響く声で叫ぶと、敵陣へと突進した。 これを聞いた一条は 「今名乗ったのが大将軍だぞ!討て、討てぇっ!」 と兵士たちに叫ぶ。 兵士たちは我先と義仲の下へと駆けていった。 「お~、多いな~、こりゃ」 今井四郎が感嘆したように言う。 「無理もねえな。こっちは三百騎ぐらい。相手はぱっと見……二千ぐらいか?」 「けっ、多勢に無勢って言葉を知らんのか」 「ああ、知らんね」 そう言うなり、義仲は敵陣へと切り込んだ。 その後ろに味方の兵が続く。 「そおりゃっ!」 義仲たちは、縦横八方十文字と動き回り、次々と敵を切り捨てていった。 義仲の剣の動きに合わせるように敵は倒れゆく。 その横で、今井は弓を射て、背中をフォローしていた。 「おい!巴!生きてるか!」 義仲は馬上の紅一点、かつやたらと美人な巴に叫んだ。 「当たり前だろ!あたいが死んでたまるかっ!」 「さすがだな」 義仲は苦笑した。 昔から巴は男勝りなのだ。精神的にも、肉体的にも。 それは剣をふるって敵を次々となぎ倒していっている彼女の姿を見ればすぐにわかる。 「俺もこんなとこじゃあ死ねねえな」 やがて義仲たちは六千騎の中を抜けていった。しかし、味方の軍勢は五十にまで減っていた。 「ちっ、意外とやられたな」 「いや、まだいるみたいだぜ」 見ると、さらに二千騎を連れた土肥次郎実平が前をふさいでいた。 「いけるか?」 義仲は今井に問いかける。 今井はにやりと笑った。 「いけないのか?」 「ふん」 その後、義仲たちがその軍勢を抜け、あちらで四、五百騎、こちらで二、三百騎、また百四、五十騎、さらに百騎を駆け破って行くうちに、残りは5騎になってしまった。 つまり、木曾義仲、その乳母子の今井四郎兼平、召使の巴、家来の手塚太郎と手塚別当である。 「くそ、キツイな、さすがに……」 義仲はうなると、鎧と太刀を身に着けた巴のほうへ走った。 「おい、巴!もうお前はいい!」 「はあっ!?」 「もういい!お前は女なんだ。どこでもいいから逃げろ!」 巴は無視するようにして飛んできた矢をなぎ払った。 義仲は苦虫を噛み潰したような顔をする。 やはり、そう簡単には行ってくれないか……。 そう思うと、義仲は語りかけるようにして巴に言った。 「俺はこの戦いで討ち死にしようと思う」 巴は少しも動揺せずに敵陣を睨んだまま、耳だけはこちらに向けている。 「もし殺されるようなことがあれば、俺は自害するんだ。そのときに『最期の戦に女を連れてきたヤツだ』なんてことを言われたくねえんだよ」 義仲は最後の言葉といわんばかりの口調で叫ぶ。 「だから!俺のためを思って逃げろ! お前がいたら、この俺がさらしものになるんだっ!」 巴は唇をかむと、頭を振って虚空に叫んだ。 「ああもう!強い敵がいたらいたらなあ!あたいが手柄を立ててやるのに!」 と、巴はいたずらっ子のような顔で義仲に微笑みかけ、 「あたいの最後の戦いを見せてやる」 言うなり、敵陣へと切り込み、日ごろから馬鹿力として知られる大将に取り入って、馬の前に押し付けて動けないようにし、抵抗するまもなく切り捨てた。 女とは思えないような力と速さである。 そして、ためらいなく防具と刀を脱ぎ捨てると、東国へと落ちのびた。 一度も振り返ることなく。 そう、これでよかったんだ。 義仲は自分に語るようにしてうなずいた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.11.03 14:43:27
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