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おひさシュウ~
色々と忙しすぎテ全然更新できなかったデスヨ 学生たるものナンタラで先生も親も気合入りまくてるデスヨ でも今日は息抜きに友達と遊ぶネ とてもとてもwktkナノネ♪ * * * * * 平家物語演義 「木曾の最後 其の2」 手塚太郎が討死し、手塚別当は落ちのびた現在、残っているのは今井四郎と義仲の2騎だけである。 これまでか…… 今井四郎はふとそう思った。 あれだけ猛威を振るっていたにも関わらず、いつの間にか少なくなってしまった味方がどうしてもそのような気持ちにさせた。 そして、そのような気持ちになってたのは今井だけではなかった。 「なんか鎧が重いな……」 ため息のように言った義仲の言葉。 小さな声だったが、今井には驚愕に値する言葉だった。 いままで義仲は弱音を吐くことなんかなかったのに…… 相当参ってるか…… 「んなことねえよ。あんたは疲れてなんかいねえ。味方が少なくなっちまったからそう思ってるだけだ」 「だといいけどな……」 弱々しく笑う義仲に、今井は自分の胸をたたいて言ってみせた。 「だいじょーぶ。俺を千騎の武者と思え。見ろ、ここに8本の矢がある。これであいつらを足止めすっから……」 続く言葉を小さく、しかしきっぱりと言い切った。 「……だから、あんたはあそこの松原で自害してくれ」 義仲が意外そうに今井を見る。 そんな目で俺を見るなよ……。 「なん……」 「いいから!あんたはあそこで自害してくれ!敵は俺が食い止めるから!」 それだけ言うと、今井は前へと走り出た。 頼む、早く松原に行ってくれよ。俺だってこんなこと言いたくて言ってんじゃねえんだ。俺はあいつを救ってやることも、逃がすこともできねえ。 ただ一つ、俺が出来ることは…… 前に新たな軍勢50騎ほどが立ちふさがる。 ……こいつらを食い止めること! 「おい!かの木曾殿の乳母子、今井四郎はここにいるぞ!」 敵の軍勢が一斉に振り返る。 それと同時に、今井は8本の矢を最大限弓を絞って放った。 「おおぉりゃっ!」 空で音が発せられるほどの速度で矢が飛んでいく。 その矢はあるものは敵の鎧を貫き、あるものは敵の鎧のすきまを打ち抜き、8本とも敵を射落とした。 今は義仲のために、時間を稼ぐしかないんだっ! 剣を抜いて、敵に切り込む…… いや、そうしようとした。 が、今井は聞いてしまった。 後ろから来る馬の駆ける音を。 聞きなれた相棒の声を。 「ここまで俺が来たのは何のためだと思ってる!もともと俺は都で死ぬつもりだった!それをここまで生き延びたのは、お前と一緒に死にたいと思ったからだろうが!別々のところで死ぬなんて許さん!俺はお前と討ち死にする!」 あのバカ……っ! 今井は馬から飛び降り、両手を広げて立ちはだかった。 「なにをする!そこをど……」 「このバカ!!なんで松原へ行かない!」 「……なんだと?」 今井は息を吸い込むと、はき捨てるように一気に言った。 「日ごろどんな活躍をしてようが、最後に失敗したら水の泡だろうが!あんたの体じゃ無理だ!戦える体じゃねえ!何が悲しくてあんたをあんなたいしたことねえ奴らに討ち取らせなきゃいけねえんだ!ここで討ち取られたが最後、その不名誉は末代まで拭えるもんじゃない!だから早く行け!!」 「でも……」 「行け!行け!行けッ!!これ以上俺を困らせるなっ!!」 義仲は悲しそうに沈黙する。 「わかったよ……」 馬を逆方向へ向けた。 「今井……」 「なんだよ?」 言葉を発するのと、馬が走り出すのは同時だったように思える。 空に残った言葉は、こう聞こえた。 「……死ぬなよ」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.11.09 09:04:21
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