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カテゴリ:柔道整復
学期末試験中でブログは控えてましたが、ちょうど試験範囲だったので・・・
だいぶタイムラグがありますが先日のイベント出店2日目の朝ちょっとしたアクシデントがありました。 うちの柔道家でもあるスタッフのY君が前日の夜、柔道の稽古で右膝関節の脱臼をしてしまいました、以前も起こしたことがあり、道場でなんとか脱臼の整復をして、その晩はアイシングすることで当日の朝はなんとかショップまで来ていましたが、足を引きずってかなり痛そうでした。 自分でも膝がウィークポイントと自覚していて、今までなんども自分でテーピングを巻いていたので、まず、自分で巻いてもらいました。 すると内側側副靭帯が痛いようで、内側にテープで補強するように貼っていました。 それだけでだいぶ痛みがやわらいだようでしたが、その脱臼の発生機序を聞いて、痛みの出る動作をやってもらうと、膝から上の大腿部が外旋、膝から下の下腿部を内旋(膝が外を向いて足先が内を向いた状態)で内側側副靭帯の痛みが増すようだったので、膝関節の脱臼の中でも珍しい回旋脱臼のようでした。 また、思ったより腫れもないようで、本人もこれぐらいなら大丈夫と言い、内心たいした奴だなと思っていました。 私は膝関節の脱臼整復など経験がなかったので、少しあせりながらも靭帯の走行を思い出すと、内側、外側側副靭帯とも内旋制限をする靭帯ではなく外旋制限をする靭帯なので発生の仕方と痛む靭帯が合わないのでおかしいな? (理論的にはこの回旋脱臼の場合前後の十字靭帯が痛みやすい)と思いながらも膝下の下腿部が内旋しないようにスパイラル状にテープを巻くようにアドバイスしました。 (後で教科書で確認すると、内側側副靭帯の損傷は下腿が外旋し、大腿が内旋した状態で膝関節に外転力が加わって発生する、外側側副靭帯の損傷は内側側副靭帯の場合と逆で、下腿内旋、大腿外旋位で内転力が加わって発生する、とあり今回の脱臼の回旋方向では通常外側側副靭帯が損傷します) すると、さらに痛みがましになったようで、その後ブースで最後までがんばってくれました。 よかったです(笑)。 しかし、なぜ理論と一致しないかが気になっていましたが、その理屈がわかりました。(たぶん・・・) 今回の場合、以前も痛めたことがあるというのが一つのポイントになっていると思うのですが、足関節の内反捻挫などではよく見たことがある状態で、捻挫を繰り返しすることや、捻挫をした後固定をしないで放っておいた場合などで足関節の前距腓靭帯や踵距腓靭帯が伸びたままになってしまい、いつも足首が内返しになってしまっている人です。 また、反復性脱臼や習慣性脱臼という言葉があるように、一度脱臼すると、靭帯が伸びて簡単に脱臼しやすい状態になることがあります。 今回の場合もそのような基礎的状態がある上でさらに回旋外力がかかり、通常痛まない内側側副靭帯に損傷が起きたのでしょう。 とりあえず、今回使ったスパイラル、回旋脱臼以外にも慢性的な回旋外力がかかっている膝や肘などにも応用できるのでどうぞお試し下さい。 しかし、方向を間違えると悪化しますのでご注意を・・・慢性時の方向確認にはAKの筋力テストを使います。 ↑この巻き方が膝下の下腿内旋を制限するスパイラル。 ↑この巻き方が膝下の下腿外旋を制限するスパイラル。 スパイラル状に巻くけど、いわゆるスパイラルテープとは違うので誤解のないようにして下さい。 また、今回使用したアップスチタンテープ はファイルド加工がかかっている分生体との相性がよくなっているので通常のキネシオテープやホワイトテープよりかぶれにくいという利点と、テープそのものに疼痛時に発する電気的乱れを正常に整える効果があります。 また、そういう理由で通常の固定や予防のためのホワイトテープを使ったテーピング時のアンダーラップの代わりのズレにくい、かぶれないアンダーテープとしては最適でしょう。 でもちと高値か・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.09.24 19:16:34
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