テーマ:障害児と生きる日常(4433)
カテゴリ:障害児と生きる日常
祝日。
娘の卒園した保育園でバーベキューがあった。 夫が休みではないし、私1人で障碍児2人を連れていくのはなんとも気が乗らなかったが、 一緒に卒園した子どもも半分は来る、と聞いてたし、 まぁ、たとえ子ども同士でからめなかったとしても、久々に馴染みの保育士たちに、 いっぱい甘えたり話がしたいかな、と思って、参加することにした。 自家用車に乗り合わせていくと、普通は子ども同士遊びながら、 で、親同士は話しながら、で、楽しく行けるのだろうけど、 うちの場合はまず間違いなく娘は皆と遊べないし、 息子も2歳だけど中度の知的障害児手帳を持つので1歳程度。 私が2人を面倒をみるのは間違いない。 しかも、なんとなく一緒に行く子どもから、 「あ~あ、△△ちゃんじゃなくて、他の子が乗ってくれたら遊べたのに…」 と、思われているようで、肩身が狭い。 で、保育士や他の足がないメンバーが乗り合わせるバスに乗っていくことにした。 行きは目論見通りで大成功。 が、着いてからが大誤算。 私が息子の世話をしている間に、 山菜とりや川遊びに行くグループに、娘は見事に置いていかれてしまったようなのだ。 残ったのは、子どもがいなくなって楽しく喋りながら食事の支度をする母親たちと、 懸命に働く保育士たちと、 火の番をする呑みながらの父親数人。 子どもは2歳児より小さい子と娘だけである。 卒園してから1ヵ月。 今まで、少しは娘を気にしてくれてた他の子の保護者も、 すっかりカンが鈍って娘は忘れてしまったようで、 でも、もと担任の保育士まで娘に声をかけるのを忘れなくてもいいではないか。 残された娘は呆然としているようで、でも、 「△△はべつにどこにもいきたくないから。ここでたのしいから。」 と、言っていた。 普段ならもう少し気をつけるのだが、息子が火に興味をもってあぶなくて、 なんとなく、そんなことを言っている娘を鵜呑みにしてそのままにしてしまった。 すると、事件は起きた。 娘が山小屋の中のカーペットを破っている、というのだ。 早速、とんでいって怒った。 が、息子を置いてきたので、ままならず。 そのまま戻った。 しばらくして気になって山小屋に戻ると、息子の同級生の父親が困った声をあげていて、 息子の同級生が一人、山小屋の中を歩いている。 見たら、娘が登ってはいけない、と約束になっていた山小屋の2階にハシゴで登ってしまい、 娘を下ろそうとオロオロしているではないか。 自分の息子を放っておかざるをえなくて。 私はそこでブチっとキレてしまった。 娘の頬をぶったたき、それでも気が晴れず蹴飛ばしてしまった。 しかも、人前で。 娘は大声で泣き、ごめんなさい、と繰り返す。 そこへ、ちょうど、お散歩から帰ってきた娘を置いていったグループも続々と戻り、 とてつもなく大騒ぎになってしまった。 すぐに昼ごはんになって、とりあえず、その場はなし崩しにはなった。 が、私は娘と離れて座り、息子も息子の担任が食事を作る仕事を終えて来てくれて、 ご飯を食べさせてくれた。 私は一人ビールを飲みながら、妙に冷静になってしまった。 あの騒動があって、周囲は娘を見落としていたことに気づいたのか、 誰もかれも娘に声をかけ、娘もとても楽しそうな顔になっていた。 息子も担任の先生と楽しそう。 そう。 うちはそんな母子だったのだ。 声をあげなければ、存在さえ忘れさられているような。 助けてもらえなければ『普通』に遊べないような。 そんな母子だったのだ。 それを忘れて、よくもまぁ、こんなツアーに申し込んだものだな、と。 卑下しているわけではない。 むしろ逆だ。 障害児流の普通学級と障碍児流の休みの過ごし方。 これをうちの『フツー』とすれば良かったのに、どうして、今まで、 こんなにも、いわゆる『普通』にこだわっていたのだろう。 例えば、こんな行事に参加するのはいい。 でも、やっぱり夫がいて、余裕をもって参加できるときに限ればいいのだ。 私は娘の元へ行き、皆の前で堂々とあやまった。 「さっきは△△の気持ちも考えずに怒りすぎちゃってごめんね。」 娘はうなずき、声をあげて、また泣いた。 帰りのバスで娘がつぶやいた。 「みんなさ。△△がほいくえんで、かみのけひっぱったり、 みんなのつくったものをこわしたり、わるいこといっぱいしてたから、 あそんでくれないんだよね。」 私は二の句を告げなかった。 何かを答えた、とは思うのだけれど思いだせない。 隣でそれを聞いた保育士が、ひたすら 「そんなことないよ~みんな△△ちゃんのこと大好きだよ~」 と、何度もとなえていたのは覚えているのだが…。 それが分かっただけでも保育園生活は良かったんだろうな、とは思うけど。 私が間違えた『普通』をしてしまって、 良かれと思ってむしろ娘を辛い休日にぶちこんでしまったことを今でも反省している。 次は、障害児流の普通?の過ごし方っていうのかな、を、彼女にたっぷりプレゼントしてあげよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.05.02 15:38:48
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