カミングアウトのお話【後編】
開業8日目の夜。サスペンスドラマへようこそ?【後編】トライス:自首減免(じしゅげんめん)とは、犯人が一般大衆の目に犯罪の事実が触れる前に、捜査機関に自らが申告することにより、その罪について情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)を得ることを・・・。数希:・・・始まったよ。お決まりのうんちく講座。せめて、棒読みはやめて欲しい。あれじゃあ、ただのロボットと変わらないって!翔:・・・とはいえ、自首減免の制度がある国は、世界的に見ても珍しいんですよね。千里:そうですね。そもそも、日本では明治時代に、お雇い外国人(学者)による法典編纂(へんさん)、つまり法律書を作る作業を依頼していました。このとき、悪いことをした人を罰するための法律、刑法典を作るための案を考えていました。数希:このとき、その学者は、参考文献として見ていた、江戸時代にあった自首減免の制度について、感動して、導入されるに至ったともいわれている。トライス:何しろ、犯罪が発覚する前に本人が申告すれば、捜査の費用が浮いたり、信憑性が高かったり、メリットが大きいからな。数希:しかし、殺人のような重大犯罪についても、自首減免を適用してしまったら、まずいことになりかねない。トライス:その例が、当時の政府の要人、大久保利通の暗殺だよな。何しろ、もし暗殺をしても、自首すればその罪が許されることになれば、いくら政府高官の命があっても足りやしないからな。翔:そこで、結局は殺人などの重大犯罪については、無罪にはしないとして、今の刑法の原型ができたわけですね。数希:そう。・・・なのに、なぜかテレビの世界には浸透していないんだよな、これが。わずかに、『出頭』に単語を変えさえすればよいにもかかわらず。トライス:こだわりってもんだろ。だから、いまだにその事実を『自首』しないんだろ! ・・・という結論になったらしい。・・・それはさておき、次号にご期待!