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「Enough」波乱の時代の幸福論、この原稿を書く数分前に感動しながら読み終わった本の題名で、著者は米国金融界の第一人者であるジョン・C・ボーグル氏で山崎恵理子さんが翻訳された武田ランダムハウスジャパン発行の書籍です。英和辞書を引くとEnough(イナッフ)は、「(必要を満たすのに)十分な, 足りる」とあります。 石庭で有名な京都の龍安寺の茶室の露地にある蹲踞(つくばい)に「吾唯知足」(われ、ただ足るを知る)の4字が刻まれています。 4つの漢字の「へん」や「つくり」の「口」として共有されているのが見どころで、そのため一見「五・隹・疋・矢」と読める。水戸光圀の寄進と伝承されているが、私たち一般拝観者が見ることのできるものは複製だそうです。 「足るを知る」の心は、日本でもアメリカでも共通な精神論でありますが、建国以来、大志を抱き、勤勉に働き、倹約に努めることが美徳でありました。 ところがこの30年間余で、その多くが打ち砕かれ、倹約に努め、支出を収入の範囲に抑えという常識や慣例が社会から失われてしまった。借金を勧め、刹那的な生き方を助長する社会の仕組みが築かれてしまった。資本主義社会のマイナス面が表面化している。アメリカ人から「吾唯知足」を教えられ反省も込めて一気に読んでしまいました。 私たちも、戦後の何もない時代を乗り越え、幸いにも高度経済成長の波に恵まれて比較的豊かな生活を享受することが可能となりました。いつのまにか「足るを知る」精神から乖離してしまい、経済停滞の仕打ちを受けているような気さえします。 狭山ケーブルテレビ(株) 社長 清水武信 毎月社長コラムを狭山市内全域に配布しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.10.15 18:47:55
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