機動戦士ガンダムの見納め
紅白の前はガンダムで締めめぐりあい宇宙編を見ました。機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編 【劇場版】第三編は,ニュータイプララァとの出会いが一番の見所かな。ホワイトベースは地球連邦軍の本線の前におとりとして宇宙に出ます。まずジオン軍の要塞ソロモンへの攻撃を仕掛けます。数々の戦闘によってますますニュータイプの素質を現すアムロ。そこに兄妹のシャアとセイラ,ジオンのニュータイプとしての素質を買われたララァが宇宙戦で一堂に会します。この4人はみなニュータイプです。シャアとララァはジオン軍として,アムロとセイラは連邦軍として戦っています。シャア ララァアムロ セイラシャアとセイラはジオンの創設者の子どもです。しかし,ジオンの跡を継いだザビ家が,コロニーの独立主権を目指したジオンの主張を「宇宙移民はエリートなので、地球に従う必要はない」という論理のすり替えによって独裁国家を作りました。そのため,シャアは仮名を使ってジオン軍に潜り込むことで,ザビ家の暗殺を企てています。セイラはそんなシャアに復讐は止めるよう願っています。そしてシャアのアムロとのライバル関係を複雑な心境で見守るしかない。敵であるはずのララァにテレパシーのようなもので意思疎通を図るアムロ。ニュータイプを戦争の道具として利用しようとするシャア。お互いの気持ちが交錯する中で,ララァはシャアをかばうためにアムロの攻撃を受けて死んでしまいます。ここでのテーマは,宇宙という空間に適するように感覚を拡大させたニュータイプが時間を支配することで,戦争をせずとも理解し合えるようになるか,ということです。ニュータイプは戦争の道具にしかならないというシャアの考え方は現実的です。一方,アムロはその逆で,ニュータイプの出現によって平和が訪れると考えています。このことは,他人の気持ちの理解や予知能力といった感覚の拡大によって,戦争を克服しうるかどうかといったより根源的な問題を内に秘めているような気がします。ニュータイプという言葉は,情報化や核といった言葉に置き換えることもできるのではないかとも思えます。いまや情報を瞬時に収集,発信できる能力は格段に向上しています。また,科学技術の恩恵を受けて,地球を壊滅させることのできる核を手に入れました。要は,そうした能力や技術は,使う人の意思によって,他人に幸福をもたらすようにも,不幸をもたらすようにも作用しうるということではないでしょうか。現在のインターネットによる犯罪(バーチャルな詐欺や誹謗中傷,知的侵害から,出会い系などを通じたリアルの犯罪まで),政治的発言力を増すための核の保有などを見ていると,どうも悪い面が表に出てきていることの方が多いように思います。そう考えると,ガンダムの世界は,宇宙に人が住み始めて,ニュータイプのような宇宙に適合した人間が現れたとしても,それを一部の人間が戦争を有利に展開するために利用しようとする限り,戦争は続いていくのだという現代にも通ずるメッセージを伝えているのではないかと思えました。ブログランキングに参加中。毎日1回クリックで応援よろしくお願いいたします。