ブレードランナー
2007年12月14日発売≪発売延期≫『ブレードランナー ファイナル・カット』製作25周年記念エディション HD DVDブレードランナーリーダーズにも載っているほど有名な米国映画。初回公開からディレクターズカット版が出たりしているそうですが,今回見たのは1992年に公開されたディレクターズカット版。『ブレードランナー』2019年,スペースシャトルをハイジャックして地球に潜入したアンドロイドのグループを捜査官が追跡,殺していくという未来社会サスペンス。原作はDickの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」で1968年に書かれたというから驚きです。SFで人造人間を描いた先駆けで,放映当時1982年としては画期的な設定だったようです。時代設定が現在に近いので,過去にどのような未来を予想していたのかを振り返るという点でも人気が出ているみたいです。21世紀はじめ,「レプリカント」という人型ロボットを開発して,地球外活動に当たらせていました。開発設計をしたのは,タイレル社というところです。製造から数年たつと感情を持つようになります。しかし,安全装置として,4年で寿命が終わるようにしてありました。あるとき,レプリカント4人が人間の敵に回り,スペースシャトルを奪って,地球に密航します。ブレードランナーは,地球に戻ったレプリカントを処分するために組織された特捜班です。デッカードはそのリーダーです。2019年,ロサンゼルスのチャイナタウンが舞台です。まず,デッカードは,タイレル社が新たに開発した女のレプリカント(レーチェル)で,人間かどうかを確かめるテストをします。しかし,新たなレプリカントは過去の記憶を移植されて感情が生まれているので,デッカードは彼女がレプリカントだと判断するのが難しいことを知ります。4人のレプリカントは4年の寿命を延ばそうとタイレル社に乗り込もうとします。デッカードは女性のレプリカント1人を見つけ出して殺します。彼は男性のレプリカントにやられそうになりますが,レーチェルが射殺して命拾いします。そこからデッカードとレーチェルに愛が芽生えます。残った2人のレプリカントは,タイレル社長に寿命を延ばすように迫ります。しかし,それが叶わないと知ると,社長とレプリカントの頭脳を作った遺伝学者を殺します。知力も体力も人間に勝る2人のレプリカントと,デッカードの戦いの末,2人は死にます。最後の1人は4年の寿命がきて死にます。デッカードはレーチェルも殺すように命ぜられます。しかし,レーチェルを愛するデッカードは,彼女をかばって逃げます。ここで映画は終わり。ブレードランナーに出てくるアンドロイドは感情をもっています。当時,科学技術の発展によって,さまざまな問題を解決してくれるとの期待が多くあったと思います。そんななかでこの映画は,悲劇的な結末を人間にもたらす点で,画期的な描き方がなされます。アンドロイドは地球外活動などで奴隷的な扱いをされることに反抗します。一方で,アンドロイドと人間が恋に落ちてしまいます。こうなると,アンドロイドは人間と同じかそれ以上の理性と知性をもっています。今でも表情豊かな人型ロボットが登場しているので,あながち非現実的な予想ではないかもしれないと思いました。ただ,感情をもつことは,いまだ現実にはありえないかもしれません。この映画は科学技術がもてはやされた時代に,それが必ずしも万能ではないという警鐘を鳴らしたいい作品だと思います。ブログランキングに参加中。毎日1回クリックで応援よろしくお願いいたします。