深まる格差
深まる格差サンデーモーニングの「風を読む」で深まる格差について検証していました。タクシー料金は東京・神奈川で10年ぶりに値上げされました。ガソリンや灯油も値上がりしています。ガソリンの店頭平均価格は154.9円と過去最高になりました。パンや即席めんなど食品や雑貨も値上がりしています。一方,厚生労働省は生活保護世帯の給付費を下げることを検討しています。その理由は,生活保護を受けていない世帯のほうが年収が下回るケースが生じ,その結果として労働意欲がなくなると判断されたからです。老齢加算や母子加算も廃止されます。老人医療費も上がります。そうした対策によって,生活保護を打ち切られた男性が死亡しました。貧しくて病院に行けなかった人も死亡しています。ワーキングプアも増加しています。一方で大手企業の決算は軒並み好調で,実感なき好景気が継続しています。深まる格差を示す数字があります。年収200万円以下の世帯が前年比4.2%増加しましたが,年収1,000万円以上の世帯も前年比4.4%増加しました。このような格差拡大に拍車をかけたのは,小泉改革(規制緩和,民営化,社会保障費の削減)です。1979年は国民の8割が中流と認識し,幸福だと答えた「一億総中流」と言われました。そんなかつての日本も2007年には「格差社会」になりました。街の声では「金がすべての世の中になった」「昔は貧しくても人間味があった」「規律,規範,心が切り捨てられるようになった」「経済が上向きのときはみなが幸せでいられた」などが聞かれました。経済による市場原理では,徹底的に無駄を省き,いかに少ない投資で大きな利益を生むかで利潤が決まります。そこには,共助や互助といった考えが優先されにくいように思います。それよりも,他者との競争に勝つためにいかに相手を出し抜くかが問われているように感じます。幸せの基準がいつの間にかお金にすりかわっているのではないか。心のない社会では,貧しい人は,ますます居場所がなくなっていっているのではないかと感じました。ブログランキングに参加中。毎日1回クリックで応援よろしくお願いいたします。