リスクに背を向ける日本人
【送料無料】リスクに背を向ける日本人価格:798円(税込、送料別)【内容情報】(「BOOK」データベースより)安心・安全の「落とし穴」。労働市場・教育・男女の不平等など動きが止まってしまった日本社会の問題点。言葉を使わない、セカンドチャンスがない-実は日本のほうがアメリカよりリスクが高い。日米を代表する研究者二人が日本人の「心と知性」を読み解く。【目次】(「BOOK」データベースより)第1章 日本を覆う「リスク回避傾向」/第2章 はしごを外された若者たち/第3章 どこで自分を探すのか?/第4章 決められない日本人/第5章 空気とまわりの目/第6章 なぜ日本人は子どもを産まないのか?/第7章 グローバル化の意味/第8章 女性の能力を生かすには/第9章 ジャパン・アズ・ナンバースリー【著者情報】(「BOOK」データベースより)山岸俊男(ヤマギシトシオ)1948年、愛知県名古屋市に生まれる。社会心理学者。一橋大学社会学部、同大学大学院を経て、1981年ワシントン大学社会学博士。北海道大学大学院文学研究科教授、同大学社会科学実験研究センター長。社会的ジレンマ、信頼、社会的知性など心と社会の関係について、認知科学、心理学、社会学、経済学などの多くの側面から、実験、調査、コンピュータを通じて総合的に研究。2004年、紫綬褒章受章ブリントン,メアリー・C.(Brinton,Mary C.)(ブリントン,メアリーC.)ハーバード大学社会学部長兼ライシャワー日本研究所教授。シカゴ大学、コーネル大学を経て、2003年より現職。主な研究テーマは、ジェンダーの不平等、労働市場、教育、日本社会など。1990年代に日本に長期間滞在し、日本の経済状況の変化が若者の雇用環境にもたらした影響を研究。対談の中で山岸先生は以下のようにアドバイスしています。まわりの目を気にする日本人。しかし,いくら「気にしない」でいたいと思っても,気にしないわけにはいかない。そこで,気持ちの持ちようを変える以外にすべきことがあります。それは集団主義的な秩序が与えてくれる安心をあきらめること。そうした安心をあきらめ,もっと普遍的な秩序をつくるようになることです。大切なのは,一人ひとりの生き方は,私たちが生きている社会(=秩序,均衡)の中では,個人の気持ちの持ち方ひとつで帰ることができないことを理解すること。だけど,同時に,そうした社会のあり方は,社会についてのみんなの常識が変われば変化するものだということを理解すること。そして社会から縛り付けられているように見えるものはみなが寄ってたかって作り出している幻想だけど,その幻想はみなが信じている限り現実を生み出し続けるといっています。環境との個人との関係によってつくられる幻想を断ち切るのは容易ではなさそうです。むしろムラ社会的秩序を強める方向に作用しそうです。原子力ムラとか,オリンパスの不正経理問題に絡む上層部の隠ぺい体質など,日本の集団主義的秩序がもたらす弊害はさまざまなところで明らかになっています。相互監視しつつ,出る杭は打たれるような雰囲気はいじめの構造にも典型的に表れているように思います。出過ぎた杭は打たれないような社会への転換を目指して,個人の意識から変えていけるような教育とは何か考える日々です。