退去費用交渉
引っ越しの退去費用の支払い交渉は転居に伴う作業で一番のハイライトでした。初めてのことだったので勉強になりました。インターネットを駆使しながら,どのようにして交渉していけばいいのかかなり参考にしたので,今後退去費用の交渉をする人のための参考として,また自身の備忘録として記録しておこうと思います。結果から言うと,最初は敷金を大幅に上回る請求が来たもの,2度の交渉を経て,ほぼひと月分の返金となりました。敷金を2か月分払っているうえに,家賃の退去日以降の過払い返金を含めても,当初の負担額が11万円になっていました。契約時に退去費用として室内清掃とエアコン清掃がしっかり明記されていたので,計54,000円は支払い義務が生じます。残りは,一生懸命国交省のガイドラインやウェブ記事を参考にしながら,交渉しました。引っ越し日程の関係上,退去時の立会いが叶わなかったのが残念ですが,写真付きで毀損状況がすべて掲載されていました。そのうち,風呂フタ交換や排水エルボ金具なし,床フローリングについてはカビがかなり生えたり,不注意で大きな穴が開いていたので全額負担はやむを得ないと感じました。しかし,金具が最初についていた覚えはなく,最初に証拠写真を撮っておかなかったのが悔やまれます。交渉した箇所は以下の通り。1.100%入居者負担のうち,窓ガラス交換,便座調整,収納棚補修については,通常使用の範囲内で負担しなくてもよい。2.入居者負担が半分の箇所は,5年入居で経年劣化があるため,もっと低い割合にする。再度出てきた退去費用は,一気に半額ほどになりました。でも最後に値段調整という名の値引きがあって,負担額がゼロになっているのが解せませんでした。次に交渉した事項は以下の通り。1。100%入居者負担のうち,扉剥がれ補修については,ポスターなどを貼って慎重にはがしたのに表面がはがれたもので,通常使用の範囲内と考える。テープを使用したのは,扉を画鋲で穴を開けて入居者の負担となるのを避けるためであって,入居者の不注意とすべきではない。2.入居者負担が30%の箇所は,剥がれや傷などの該当箇所のみを負担すればよく,全面を張り替えるとグレードアップにつながる。そして最終的には6.6万円ほどの返金となりました。クリーニング後の部屋を見ていないし,すでに新たな入居者と契約して,入居開始している雰囲気なので,本当に壁クロスなどを全面的に張り替えているかどうかもわかりません。事実,自分たちが入居した時には,すでに汚れている箇所が何カ所かありました。クロスを全面的に貼り替えしているのかどうか疑わしいところがあります。これまでの交渉の結果,退去費用算出の根拠が非常にあいまいだということがわかりました。何も知識のない人にとっては出てきた費用を鵜呑みにするしかありません。しかし,ガイドラインのおかげで,交渉すれば入居者負担をガイドラインに沿う形で落としどころを探ることができることもわかりました。ポイントは,損耗・毀損があったとしても,それには経年変化や通常損耗が含まれ,賃借人はその分を賃料として支払っているということです。また,原状回復は毀損部分の復旧であって,可能な限り毀損部分に限定し,その補修工事は出来るだけ最低限度の施工単位を基本とすべきことも押さえておく必要があります。今回はその部分がまるまる含まれていました。憂鬱な作業でずいぶん労力を要しましたが,勉強にはなりました。