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「明日は、みんなのお父さんやお母さんが学校に来ます。とっても嬉しくなったり、ドキドキするお友達もいるでしょう。けれども、いつものように先生のお話を静かに聞いてくださいね。」
「はーい。」 担任の大月遥香先生の言葉に、大半のお友達は、嬉しそうで、前歯の抜けた口にキラキラした白い歯が、輝いている。 「ま・り・おくーん。」 げっ。教室の入り口に立っているのは、間違いなく一際目立つ僕のママだ。案の定、すっごい格好で来た。ママは、ピ○クハウスののお洋服が大好きなのだ。 「やっぱり、ペチコート二枚重ねじゃ、さすがに掃除はやりずらいわね。」 と、いつだったか、従業員さん、おっと、こういうお店では、従業員さんとは、言わないらしい。(訂正)お店のお姉さんと話していたのを思い出した。今日は、その掃除のできない雪だるまのような格好で来た。 トップスは、リボンとレースだらけのキャミソール、その上にも、フリルとピコレースのたっぷりついた綿ブラウス、おまけに定番中の定番、ピンクと白のコサージュが、これでもか!とばかりについている。確か一つ八千円 だったよな。三段切り替えの前あきフリルスカートからは、二枚重ねのペチコートが覗いている。足下は、先週、パパに買って貰った、勿論、脱がなきゃ分からないピ○クハウスの白いサンダルを履いている。 ピピピピッ。僕の頭の中の電卓がはじき出す。およそ、二十万円は、いってるな。 ピ○クハウスの籠バッグを片手に、おそらく、スリッパを入れて来たであろうペーパーバッグにもピ○クハウスのロゴが・・・ 右手には、キラリと光る汗を拭うハンカチが握りしめられているが、チラリと見え隠れしているフリルは、まさにピ○クハウスだ。 ヘアースタイルは、今流行の銀座巻きや渋谷巻きどころではない。しっかりと型くずれのない縦ロールだ。今時、こんなの見たことがない。パツキンでないのがせめてもの救いだ。 こっこれは、まさに、「ママーアントワネット」だ。確実に意識しているぞ。間違いない。 「Nice to meet you!」 なんかやるなよなぁと思いつつ、笑顔でしかも日本語で、他のお母さん達と挨拶を交すのを見て、少しホッとした。 はぁ~見ているだけで疲れる。 仕事を終え、帰宅したパパ。(初登場) ママを見るなり、 「わぁお!ママ可愛いねぇ。まるでお姫様みたい。」 「うふっ。今日のテーマは、マリーアントワネットなの。」 パパは、ママの格好は、嫌ではないらしい。しかし、僕のパパは、ルイ16世でない事は確かだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 13, 2005 11:13:21 PM
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