小学一年生の日記

　家が揃う最近の日曜日は、ショッピングセンターへよく出かける。

「ママ、今日のご予定は？」

平日は、家事、育児、仕事と忙しいママを労ってか、日曜日の朝はお決まりのパパの言葉で幕開けする。

「お買い物！」

しまった。出遅れたぞ。隣には、即答したママがニンマリしている。

僕は、今日の気分は、公園って感じだったけど、まぁ、いいか。僕もショッピングセンターは、満更、嫌ではない。ママが買い物をしている間、パパと3階のゲーセンへ行けるからだ。ここのショッピングセンターは

「電車でＧＯ！」

という、シュミレーションゲームがある。僕は、将来、電車の運転士さんになるために、日々、ここで練習をしている。

「きゃあぁぁぁ～」

ああ、今日も三人のお客さんが悲鳴を上げた。ダメだ。停止線を３メートルもオーパーランしている。もっと手前からソフトにブレーキをかけなければ・・・減点だ。僕は思い直して、マスコンを入れ直す。未来の運転士に成る為に・・・。

　ママは、ここのショッピングセンターが大のお気に入りである。なぜっかって？テナントにピ○クハウスが入っているからである。

「ママ、ゲーセン行ってくるけん、お金ちょうだい。」

「もうっ。毎回毎回こんなにやってたら、うちまた赤字よ。小さな事からコツコツと・・・。チリも積もれば山となる。って、言うやろう。この分貯金でもしたら、まりおの学費にでもなるとよ。」

ブツブツ言いながら、自分のバッグに手をかける。

「もぉ～！！ナ○コや○ガの思う壺！！」

と、半分パパに投げつけるかのように、３千円を手渡した。しかし、僕は、恐ろしい事実を知っている。この間に、ピ○クハウスで手当たり次第に買いまくるママを・・・。３千円のゲーセン代を貯めるより、ピ○クハウスでの買い物を一回でも我慢した方が、赤字家計を立て直す第一歩ではないだろうか。

と、口が裂けてもいえない。　

　たかが３千円、されど３千円。僕の将来の為の大切な投資だ。運転士になる為の・・・。ちなみにＪ○が希望だ。