カテゴリ:コーチング
『陽明学十講』に、中江藤樹(1608-1648)という人のみじかい手紙が載っていました。
(中江藤樹に関する、映画が出来たらしいです!。) 他の手紙には、安岡師の意訳が付されていたのですが、これは短いせいか、訳がありません。 わからない言葉や背景がちらちらしますが、読んでいて「はっとする」ところが多かったので引用してみますね。 「色々の障り御座候て、御退屈成され候旨、自反慎独の工夫、手に入らざる故にて候。 御心にすくみ御座候に付いて、外物さはり、気の毒に御思召故、いつとなく志をうばはれ候。 心にすくみなく候へば、世間の万事、一もさはり申さず候。 殊に交はるる所の善悪是非は、少しもかまひになり申さざるものにて候。 自反慎独の工夫は、心のすくみをとろかしすて、いかにもひろびろとして、 天地万物入りてつかへぬ本体を失はざる様に仕り候。専一にて候。 大学に心広く体ゆたかといへるにて、能く御合点なさるべく候。 吾人の心、本来広大にしてさはる所なきものにて候ものを、 いつの程よりか、習にそまり、是非の素定、好悪の執滞、名利の欲、形気の便利などにて、 ねぢかためすくめ候故、親の吾を愛することさへ、たち障りさかだち候へば、 自余の事は申すに及ばず候。 このすくみをとく心得なく候へば、学問にて却ってすくみをかさむものにて候。 能々(よくよく)御体認して、すくみを御とき候はば、何事もつかへ申まじく候。 万事のつかへ候は、他人の非にはこれなく候。 皆我が心のすくみたる非ある故にて候。」(青字はつきのわ) 私はこの手紙を、このように読み、このように受け取りました。 「色々な障害があって、気が鬱屈されているとことですね。 自らにかえり、独を慎むためのシステムを得ていらっしゃらないからだと思います。 心にすくみがある、というのは、他人の言動や状況など、自分の外のものが障害となって、 気をしゃんと持てないように感じてしまい それが原因で、いつの間にか志を奪われてしまった、ということを指します。 心にすくみがなければ、世間のことというのは、まったく何も障害にならないのです。 ことに人間関係の良し悪しなどは、自分の志にはまったく関わりとならない。 「自らにかえり、独を慎むシステム」というのは、心のすくみを融解させて捨て去り まったく広々とした本質・・・天地万物が入っても、つっかえたりしないような広々した本質 を失わないようにする方法のことです。これこそ「専一」です。 『大学』に、心は広々として、体はゆたかな状態と言っていますが、よく理解なさってください。 人の心というものは、本来広大で障害となるものなぞ、ないのです。 それがいつの間にか、慣習に染まってしまい、 価値判断をすること、好き嫌いにこだわりすぎること、名誉や利益を欲すること、(形気の便利・・・なんだろう?) などに、ねじ固められ、すくまされてしまっています。 そのため、親が子を愛することさえも障害となり、つっかえる原因となるぐらいで その他のことは、もはや言うに及ばないほどです。 この心のすくみを解くことを知らないと、勉強をしても(ここでは漢学のことでしょうね) 却って心のすくみを増してしまいます。 このことをじっくりと体感で理解して、心のすくみを解き放てば、 どんなことも、あなたの志の障害となることはないでしょう。 すべての障害と感じるものに、他人が源泉となるものはない。 みんな自分の心のすくみに、その源泉があるのです。」 (正しい訳では、残念ながらありません。わからないところも多いので、ご指摘歓迎です。 自分はこう受け取った、というコメントも大歓迎。) ・・・・いやあ、参ったって感じですね(^^ゞ 藤樹さんは、誰にこの手紙書いたんでしょうね?後輩かな? どうも年少者に、噛んで含めるような口調に感じます。 つきのわ、噛んで含めるように諭されている気分です。 「志をうばはれ」たよ~、もうヤダよ~みたいな 気持ちを吐露してしまった時に、数日おいてこの手紙が来たら・・・。 しかも、「心のすくみ」自体についてはまったく言及がない。う~ん。 まずは自分で観察して、よく味わってみろってことなんだろうか? -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* 追記 これをアップしたあと、学校の先生もう一人にえじそんくらぶのフォーラムのお誘いをしてみました。 (しかも)電話で・・・。 うまくいくか否かではなくて、先生方の前進に立場をとるか否か。 自分が望むことからすると、前進に立場をとることになります。 (っつーか、とらざるをえないっつーか(^^ゞ。) 結果的には、日程が合わず残念でしたが 少なくとも「心のすくみ」を溶かし捨てる過程には、できたみたい。 さて・・・次は? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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