徒然草子

　子供がやるのはいい。
　お偉いさんとか。
　元選手とか。
　アイドルでも、構わない。

　未来を夢見る、
　昔夢を見た、
　過去その場所で輝いていた、そんな人たち。

　そんな人たちに似つかわしい舞台――「始球式」。

　だから、彼には似合わない。
　早稲田実業のエースである斎藤佑樹が早慶戦の始球式のマウンドに立つのは、しっ
くりこない。
　大学に進んで、レギュラーを掴んで、試合のマウンドに立つのは夢物語ではないの
に。