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カテゴリ:本、マンガ
「ブルー・ヘブン」(C・J・ボックス/ハヤカワ文庫)
夏に購入して、即日読んでしまったという本。 ここ数年、読書スピードが落ちまくっている私にしては快挙。 まず帯のコピーがにくい。 「男が惚れる小説 徒手空拳で悪に立ち向かう、老牧場主の不器用な行き方」 このコピーを見た瞬間、買うしかないと思い、買ってパラパラ見たら止まらなくなりました。 実はカウボーイものは苦手だという私なんですが、この小説は舞台は現代。既に時代遅れの感のある牧場経営は赤字。妻に去られ、息子は病院。たった一人で矜持をを持ち、誇りを失わない牧場主。(六十代だったら「老」はいらない?!) そんな彼が偶然に出会ったのは、殺人を目撃してしまった幼い姉弟だった。 殺人犯たちは町の有力者とつながる元警官たち。 四面楚歌の中、牧場主は子供たちを命がけで守る決意をする。 ざっと書くとこんな話。 それに子供達それぞれの性格とか、男にだらしのない母親とか、殺人犯の警官たち一人一人の個性とか、小さな町の人々とか。別れた妻とか病んだ息子とか。 さまざまな人間が絡んでくる。 いやー、面白かったです。 シンプルではあるけれど、重厚な味わい。 孤立無援であっても、冷静さを失わず、内に秘めた孤独を噛みしめながら、命をかけて(なんの関係もない)子供たちを守る男!!!! かっこいいです。マッチョでもないし、武器が豊富というわけでもない。 ただ、肉体労働で鍛えた身体(それも老いつつある)、と鋼の精神のみ。 なんちゅーかほれぼれ。 帯の言葉を変えなくてはいけませんね、早川書房さん! 「女でも惚れる小説」 ですよ、これは。 こういうの、好きだなあ。「漢」と書いて「おとこ」と読む、みたいな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年10月19日 13時07分56秒
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