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カテゴリ:つれづれ
箏を弾くものとして、箏を演奏することだけで食べていければよいのですが、そうできるのは本の一握りの方たち、後は皆さん何らかのほかのお仕事をして生計を立ててらっしゃることでしょう。
箏のお仕事って、先生をやる以外に何があるの?と私も思っていましたが、育成会を修了後、何回か、箏関連でお金をいただけるようになったので、今日はそのお話をします。 私は、お弟子さんを持っていません。年もこの世界では若いですし、演奏経験も少なく、資格だけは持っているのですが、看板は出していません。 なので、システムエンジニアをしているわけです。そして、夫におんぶに抱っこの日々です。 なので、お月謝収入はありません。 育成会の先生が偶然にも誘ってくださったのがパーティでのBGM演奏でした。 一つはトルコの秘宝展にかかわる、お客様の夕食会での演奏、一つは夏休み、各国の子供達が船で九州から横浜へやってきて、そのゴール記念パーティーでの演奏です。 お礼も出て、凄くうれしかったのですが、大変なのが楽器を運ぶこと。 180cmある長い楽器です。ケースにとってはついていますが、持つとかなり人迷惑な代物。車が運転できればいいのでしょうが、私は免許も持っていないので、このときは抱えてバスに乗り、電車に乗り、現地に向かいました。 着物一式を持って・・・ 次に舞い込んできたのが、調弦係です。 演奏会をなさる先生が、ご自分のお弟子さんはもちろん舞台にも出なくてはいけないので、お助けとして調弦係をよく頼むことがあります。 大抵は、音のしっかり取れるベテランの先生を頼むことが多く、私もそんなお手伝いの先生と何回もお目にかかったことがあり、これだけの面数、そろえるのは大変だな~と思っていたものです。 それが自分に回ってきたとき、うれしさ反面、大丈夫かなという不安が心を占めていました。 だって、自分が、他の人の弾く箏の調弦をするのです。責任重大! でも、これも修行のうちと、お受けして、やらせていただくこと何回か、慣れるものではありませんが、恐がらずに堂々と音をとることを心がけています。 一番大変だったのは、チューナー(音をとる機械)を使わずに、耳で音をとりなさいといわれたとき。耳で音をとるって箏の世界、とっても難しいのです。 私は、ドレミファソラシドは聞けばわかります。でも半音がピアノの半音とは異なるんですよ、箏の半音って。大まかに言ってしまえば好みです。 それを耳でとった場合、先生のお好みと合わなければ、ぜんぜん違う調弦になるわけです。 幸い、種ごとを先生が取ってくださって、それにすべての箏を合わせてとる方式にしてくださったので、何とか耳でとりました。 恐いお仕事です。人の舞台がかかってるのですから! あとは、結婚式でのBGM演奏。 これも責任重大ですよね、人様の晴れの舞台を私の演奏が飾るわけです。 ・・・自分の結婚式に自分が来たら、ちょっといやかも・・・(笑) ここは、営業スマイルですまして弾くことを心がけました。 大先生と一緒にお仕事させていただいたので、安心な反面、間違えると即ばれてしまうので…o(;-_-;)oドキドキ。しかも、お祝いの席に変な音を出してはいけないと必死でした。 でも、結婚式場で最近お着物のお式が多いそうですから、需要もこれから伸びるかもしれませんね。 曲の選択から、箏の心配、運ぶ心配、着るものの心配、大抵は、いただくお礼はそれらの準備でとんとんと消えていくものですが、私はそのお仕事をさせていただくことが修行だと思っているので、今は収入なぞ気にしません。 神戸での大きな国際会議のレセプションパーティーでも演奏させていただきました。これは、私の相方が請けたお仕事で、私もお相手させていただけるということでしたから、二つ返事で引き受けました。双葉でお仕事が出来るなんて願ったりかなったり。 相方が、すべての準備を整えてくれたので、私は、安心して舞台に上がることができました。その苦労は並大抵のものではなかったようですので、申し訳ないのですが、私に出来ることはいい演奏をすることだけ、と思ってやってきました。(それも危ぶまれてましたけど・・・大丈夫かしら?私) 練習に何回か飛行機で伊丹に通いましたから、もちろん、いただくお礼はその費用に消えます。 でも、とてもいい経験をさせていただきました。 外国の方々の反応が面白すぎる! 演奏している最中でも、一緒に写真をばしばし撮るのです。 最後はこちらも慣れてきて、ニコニコ顔で演奏してしまいました。 すこしでも、お客様の心に私たちの演奏が残っていれば良いのですが・・・ね。 箏のお仕事、私が今出来ることはこんなところです。 演奏会でのチケット収入・・・同じだけの会費を出しているので、トントンですしね。 儲けよりも、一人でも多くの人に演奏を聞いてもらって、また次の機会につなげること、いつまでも弾き続けていられること、それが今の私の願いであり目標です。 ということで、10日のteatimeコンサート、16日の四ツ葉の会、がんばってまいります! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年07月06日 22時28分32秒
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