ユー物語(5) キジムナ
ユーちゃん それから それから どうなったの? うん。 少しずつあの時の生活を思い出しているけれど、なつかしいような~せつないような~ 白ニャン姉さんと仔ニャンちゃん達としばらく暮していたんだ。可愛いの仔ニャンちゃん達。女の子なの。なんでも一生懸命になって。私達兄弟の後をいつもついてくるのよね。小さな段差を登れるんだけど下りる時はでんぐり反しになって転げちゃうの。ミルクを飲むと直ぐネムネムで大きなあくびをするのね。まだ遊びたいのにネムネムで困ってしまって、おでこに手を当てて、コテンって寝ちゃうの。ズート一緒だといいなぁ~って思っていたけど、白ニャン姉さんがちょうどいいお家を見つけて 行っちゃった。でもお散歩の時逢えるんだ。仔ニャンちゃん達少しずつ大きくなっていった。私達も少しずつ大きくなっていった。 お散歩のコースはいつも同じなの。私達が迷子になってもお家に帰ってこれるようになのかな?お兄ちゃんはいつも早く走って行っちゃうのね。私もお兄ちゃんの後を追かけて走るの。後ろからは弟とママ。いつも甘えん坊の弟。お兄ちゃんが大きい木に登たの。私も真似して登ったの。木にしっかりつかまったら、爪が木に食い込んで、白い汁が出てきた。びっくりして下りてから匂いをかいだら、青臭い匂いがした。この木はガジュマルって言うんだって。ゴムの木の親戚。お兄ちゃんはそんなのぜんぜん平気なの。私はベトベトでいや。もう登るのはやめようと思ったの。ママと弟がやっとここまで着いたから、お兄ちゃんに知らせようと思って上を見上げたら何か変なのが「バッ」って現れた。キャーってその場から離れたの。慌てて離れた時に根っこに足が引っかかっちゃてグキって。足が痛かったの。アノ変なのはキジムナ。ガジュマルの木に宿る妖精?妖怪?いたずらの悪さをするヤツなの。