朗読者
6月19日から上映される『愛を読むひと』の原作本を読み終えました。上映に間に合うように、読み終えることが出来てよかった。15歳のミヒャエルという少年が、学校の帰りに気分が悪くなった。その時に通りすがりのハンナという女性が、介抱してくれた。それがきっかけで、彼女に恋に落ちてゆく。彼女の求めに応じて、本を朗読して聴かせるという二人だけの時間。そのうちに、彼女が突然消えてしまう。再会した場所は、裁判所。彼女の過去に何があったのか。彼女はなぜ本当のことを言わないのか。というような内容の本です。ただ、帯の紹介文にあるような涙が止まらないとか、という感動はなく。ハンナの気持ちを掴みきれないミヒャエルに腹立たしい思いで一杯になった。そこが、この本の哀しさなのかな?ミヒャエルは、あまり深くものごとが考えられない男。ハンナはどこまでも深く人の心をつかめる人。彼の考えもなしに口にした言葉はあまりに能天気で、彼女の傷つけている。彼女の心を知ることもできずに失ってしまうことの悲しみ。見るからに弱い儚い女性ではなく、気高く、強く見えるイメージで冷静でいて、孤高の人。だからこそ、脆く儚く感じさせる。そんな理由で、罪を背負うのか。それほどにその事は、彼女にとっては守りたかった秘密だったのか。永遠に愛されるには、足手まといにはなりたくない。。。 自分の尊厳を守り通した結果。。。。。としたら、哀しい。映画、期待して観に行きます。