ツブコの茶店

夜、アヤミサから、ＦＡＸ。

〔遅くにすんまへ～ん〕と大書して（サワハラ代理）とあり、ピアスの注文だ。

ＦＡＸと相次いでサワハラからメールがきた。

〔アヤミサさんの見て、わたしもほしくなったんですぅ〕

と、平伏している顔文字までついている。

う、うぐっ

たいへんだ。

三月の作品展が終ったときから、工房は締切っていた。

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注文のピアスは、去年新作として出品したとき、

アヤミサお買い上げのものだ。

あまりに製作がタイヘンだったので、

＜限定、コレッキリ作品＞

としていたやつである。

コレッキリだから、工程のメモも描かなかった。

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しかーし、周到なアヤミサはぬかりなく、

実物を紙に当てて描いたと思われる、ヨロヨロしたメモ絵が

ちゃんとそえてある。

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で、どうなったかって？

サワハラ、安心せえ。

エンジンこそかかりにくかったけど、ソコハソレ、

やっぱり、つくっちゃったぞ。

（あたりまえか）
　　　　　
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＜アジアンの猫＞28

「『オイオイ』ってどこのおっさんや」と私も負けずに返す。

なつかしい応酬が、プラグをつないだようになって、

四年間のすきまがいっきに埋まった。


「海のほうに、やど、とってあんねん。ま、先になんか食べよかね」

「いこいこ」と歩き出すと、

「おっとキミィ、カバン、忘れてどーすんねん。あ～早くも疲れるワ」

と、オカズはあいかわらず、私の”補導員”役をやっている。

私たちは待ち合わせたロビーから、街に出た。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく、、、、、、