ツブコの茶店

新入りのコイシは毎日厨房の”パシリ”で忙しい。

声がかかれば”修行”と心得、ハイハイと駆け回っている。

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月に一度のケンベン提出日が迫ってきた。

期限は一週間以内だが、みんな敬遠がちなので、いつもぎりぎりに

なってしまう。

事務所のヒトがきて、ノダさんに言っている。

「早く、規定のところに出してくださいよ」

「忙しくってさ、ヒマないんだよお」

「そーゆーもんだいじゃないでしょ」

そのとき、コイシが台車を押して行くのが見えた。

ノダさんはすかさず、

「オーイ」

と、コイシを呼びとめた。

「コイシ～、ごくろうさん。トイレか？」

「い、いえ、青果うけとりに、、、、、、」

「ウソこけ、トイレだろが。

おれの分、たのむぞー！」

すると厨房中から一斉に、

「オレもー」

「ボクもー」

「オラもー」

「わしもー」

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「わたしもー」

とは、

言えない。

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コイシ～、がんばって台車いっぱい取ってくるんだぞ。

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＜アジアンの猫＞３２

「ふーん。そのコチコチいうのんと、同じやと」

「そう、ふしぎでしょ」

「どこがふしぎや。木彫りの人形ネコなんて、どこにもあるがな」


私はコダマの＜マジック＞の話、犬の”ひょう”や、

友人の死んだ父親を見たことなどを話す。しかしオカズは

「話半分としてもやねえ、なんせ、オタクのそのふわふわアタマの

考えることやからなあ」と笑っている。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく、、、、、、