ツブコの茶店

２００２年の７月、右手首を骨折しました。一週間の入院とリハビリ、
その六ヶ月の間の、ココロや印象に残ったことを、書いています。
入院中に、左手で描いた絵も、のせていきます。　　　　　　　　　　　




スッスッスッ
私を乗せたストレッチャーが、手術室へ向かっています。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
スーッスーッスーッ
天井が走ります。

走る電車から、線路を見おろしたときの走る地面に、似ています。

ストレッチャーは、天井ロードを進み、
終点の手術室に到着しました。

部分マスイをして、手術がはじまりました。
あらためて、ゆっくりあたりを見回します。

頭上いっぱいの手術ライトが、巨大な宇宙船のようです。
壁面にずらっとかけられたレントゲン写真は、
宇宙船のコックピットのようにみえます。

（これから、なにかの使命に赴くために、
体に特殊装置をほどこされる気分）

映画未知との遭遇を想わせるそのライトは
川底から、光りを通して空を見ているように、
美しい虹水色に輝いています。

（そうだ、手が直ったらあんな雰囲気のトケイをつくろう）
アイディアが浮かんだ！♪。
　　　　　　　　　　　
Ｆ先生は、ときどき手術の様子を私に実況しながら、
径皮ピンニング手術は、無事終了しました。

そして最後にギプス処置をしながら、
こんなことを教えてくれました。

「この病院には＜手の美術館＞があるんですよ。
ここの＜手の外科研究所＞の所長のコレクションでね、
なかなかおもしろいものがあります。ぜひ、いらっしゃると、いいですよ」