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カテゴリ:ツブコポッキン事件
私の部屋は二人部屋です。カーテンで仕切られたお隣さんは、
ヘンミさん(仮)というお年寄りの女性でした。 腰の病気で、介助なしではうごけない、 という状態のようでした。 部屋案内されたときの情報によれば ヘンミさんは、 気むずかしい。ほとんど、人と話さない。(でも悪い人じゃない) ヘンクツ。 ナニカあっても、あまり気にしないでください。ということでした。 部屋の整頓がすんだので、つぎは、やはり、お隣にご挨拶です。 私は、前髪を手櫛で整え、”いざ”と 仕切りのカーテンに手をかけ、、 そのとき奥から 「ぁッ。。あ・。。・・ぃ~ゥぅぇoぉ~~」 みたいな声が。。。 私に向かって言っているようです。 『はっ?・・・ハァーイ』 カーテンをジャッと開けると、目の前に どぅお~~~んと、荷物!荷物! 荷物の山です。 壁一面に、いろんな荷物が天井までスキマなく積み上げられています。 布や箱と、新しい紙オムツが半々くらい積んであり、 そのまん中にベッドがあって、 そこにヘンミさんがいました。 『(うわっ!(≧∀≦)・・・あ、こんにちは、私こんどお隣に・・』 するとヘンミさんは、 「くすりを飲もうとしたら、落としてしまったの。 その辺にないか、アナタ見てください」 ペコッと下げた私のアタマを乗り越えるような厳かな口ぶりで、言いました。 『オッケーですよ~。待っててくださいねー♪ クスリはどんなんですかぁ?あ、赤いカプセルですね。 カプセルは大きいのですか?セミの枕くらいとか?』 「おほっ、いえいえ小さいの」 『うーん、どこだチビカプセル!出てコ~~イ』 ギプスの腕をかばいながら、這いつくばってベッドの下を、探します。 『おかしいですねー 今落としたんでしょ。落としたばっかでしょ?』 「そーです。だからゼッタイあるはずデス!」 『あい、がんばります。 ”アーアーお呼び出しを申し上げます。 ヘンミさんのカプセルサマ、いらっしゃいましたら こちらまで、ご連絡ください” アハハハハハ』 「ふほほほほ、おほほほ」 ヘンミさんも笑いだしました。 カプセルはベッドの下のシビンの陰にいました。 『あったー!バンザーイ!! ワはははは』 「ハほほほほほ」 ヘンミさんもうれしそうに笑っています。 「あら、手の怪我ですか」 ヘンミさんは私のギプスに気がついて言いました。 「ご不便でたいへんですねー、すいませんでしたねー」 『ウニャウニャ、片手だけだから、ダイジョブですよーん。 あのね、私、ギプスって生まれて初めてなんですよ♪」 「ほほほ、明るいのねえ。 こんなに笑ったの何年ぶりかしら」 ヘンミさんはそう言った後、急にしみじみと、 「あなたを明るく育ててくださったお母さんに感謝しなくちゃいけませんよ」 と、言いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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