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明け方、ネコの様子を見に起きる。
ネコはリビングにいた。 床にスフィンクス坐りで、こっちをみている。 このごろ、ヒトを避けるようになった。 キッチンにきて、えさをねだることもない。 洗面台の水だけを飲んでいる。 * 部屋に戻ったら、ネコはわたしのふとんに沿って、 むこう向きに横たわっていた。 スープを持って来ようと思ったがやめた。 すぐに<チャンス>を狙うコトが、卑しいような気がした。 それに、持ってきてもネコは多分、すぐにすーっと、立ち去るだろう。 そうして、わたしはその無言の中に ”目先のことに振り回されるんじゃないよ” と、いさめられているような気がするだろう。 * ネコは静かに横たわっている。 目を開けているのは、からだのどこかに、苦痛を感じているのかもしれない。 だからといって、アレコレを心配するでもない。 なにも考えずに、ただじっと、その体感、症状のままに、在るだけだ。 そこには、あるひとつの品性が漂っている。 それはわたしに、質の高い精神というものを、考えさせてくれる。 * ヒトもどうぶつも、命の水源はおなじだ。 その水源のあるどこかの村に ネコはもう、行こうとしているのかもしれない。 * わたしはネコの横に並んで寝た。それから、 むこう向きになっているネコの背中を撫で、 片方の手のひらに、前足を包みながら言った。 「まるちゃん、マルちゃん、まーるチャン♪」 ネコのやせた背中はごりごりと硬く、前足はうっすら冷えている。 やがてごろごろと喉を鳴らす音が、聞こえてきた。 かすかな湧き水の音のようだった。 それは、明け方の、薄暗い部屋のあちこちを満たすように、 だんだんと大きくなっていく。 その音をききながら、<水源のあるどこかの村>を、わたしは想っていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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