ことこと＠チェンマイ！ タイ移住ドキュメント＆北タイ通信♪

一時帰国の感想を書くシリーズの続きです。評論家ちっくで高慢な文章が多いとみなさんには非常に評判が悪いようですが、今回はいつも以上にエラソーなことを書きます。



■日本人の品格はどこへ！？

外国人相手の仕事をするとき、自分は必要以上に「日本人」を意識しています。タイとタイ人が好きでタイに住んでいるワケですが、一方では「日本人」としての誇りを日本に住んでいる日本人以上に持つように心がけてます。


が・・・

「日本人」ってこんなだっけ！？


これは前回の一時帰国時のことですが、ある週刊誌（文春だったか）のグラビアを見て愕然としました。「福田首相就任演説」の場で、席に居並ぶ自民党の「議員」先生方が一斉に新首相に携帯電話のカメラを向けているシーンです。一部議員は席に戻った首相の目の前にぐいっと携帯を突き出してお顔を撮影しています。

あまりの「みっともなさ」と「無神経さ」に呆然としてしまいました。

センセイ方によると、自身のブログなどでの活動報告に使うためだとか。その言い訳を百万歩譲って認めたとしても、それだったら党の広報担当が代表で撮影して皆がそれを使えばええやんか！？

わたしは大したステータスの人間ではありませんが、それでも要人や有名人に接する機会はあります。しかし、だからといって有頂天になってカメラを向けたり興奮して話しかけたりはしません。そこには自ずと「遠慮」や「自制」の念が働きます。日本人は喜怒哀楽をグッと抑えて毅然とした態度をとらなければいけないとわたしの「ＤＮＡ」にはハッキリと書いてあります。

あー日本もここまで堕ちたか・・・しかも国民の信任を得た代表がこの体たらく・・・と、しばらくは言葉を失いました。



さらに今回の帰国時ですが、「中日ドラゴンズ」が圧倒的強さで日本シリーズを制覇しました。例の「非情采配」については個人的に意見がありますが長くなるので割愛します。わたしが愕然としたのは落合監督「胴上げ」のシーンの方です。

日本プロ野球の頂点に立ったチームだけに許される瞬間、共に戦った指揮官の功績を選手全員で称える素晴しい光景・・・。なにかというと日本プロ野球はメジャーリーグの真似をしたがるようですが、メジャーリーグの優勝は「胴上げ」がない分なんか物足りなさを感じませんか？アメリカの猿真似（先様はシャンパンだが）である「ビールかけ」の醜悪さに比べて日本独自の「胴上げ」の美しさは格別です。たとえ好きでないチームであっても毎年このシーンを見るのが楽しみですね（巨人だけは例外）。


が・・・


テレビニュースでそのシーンを見ると、胴上げに実際に参加している輪の内側の選手はいいとして、かなり多くの選手は最初から輪の「外側」を向いて（つまり落合監督に背を向けて）バンザイをしているではないですか！？監督でなくチームでもなく、テレビカメラや新聞記者のカメラに向かって自分の存在を誇示しようという魂胆は明らかです。テレビニュースや翌日の新聞記事で自分の顔を確認して、「ほら、これオレな！」と友人や家族に自慢しようとでもいうのでしょうか？


あー、美しくない・・・

あー、みっともない・・・


そこにはチームで勝ち取った勝利に対する誇りや自負を感じることはできません。醜い笑顔で「オレ！オレ！」と叫んでいる姿に誰が畏敬の念を感じるでしょうか？



じじくさいこと書いてるように思われるかも知れませんが、日本はこれからどんどん国際競争力を維持するのが困難になってきていると思います。その昔途上国であった日本、敗戦国であった日本を諸外国がその実力以上に恐れたのは、全ての日本人の中に不気味に潜む「サムライ」の存在があったからでしょう。

そもそも資源の乏しい日本がここまで世界での地位を確立してきたのは、高い精神性に基づく国民の不断の努力があったからこそ。先人の遺産の上に胡坐をかいて、我慢することを忘れてしまった日本人は、外国人から見て全く脅威でないことでしょう。


一時帰国のたびに「日本人としてのアイデンティティ」が少しずつ崩れていく・・・