青い吐息。
自転車で通りすぎる通勤の道
今日は歩いてみた。
コンクリートの隙間から
気高く咲いているドクダミ
生け垣から感じる青い吐息。
先日、話し込んだメディアの研究者が言った。
人々が町を歩いていた頃、
街角のポスターは
じっくり丁寧に眺める美しいものだった。
だが、乗り物が発達し
人々が速度を増して駆け抜ける様になると、
ポスターは瞬時に情報を伝える物へと変化していった。
すごく納得。
人は忙しくなった。
子供の頃に空き地の草むらで嗅いだ、
青い吐息を久しぶりに思い出して
小さな歩幅に添って流れた時間と
今、駆け抜ける時間が同じものだとは
思い難い事実に重ねて
急ぎすぎている大人が忘れかけた
小さすぎる出来事が
今を支える見えない力であることを
これから少しずつ思い出すために
ちょっとだけ、減速したいなって思う。