ハルサキ
忘れられていた街路樹
お愛想程度につけた疎らな花が
多数でも奏でる刹那さとは違う
物悲しく憐れな主張。
始まりの遅い春に
出遅れた自分を重ねて
美しく咲けない
あの木蓮のように
質問をしようとしたら
それをよく聞かないといけない。
気持ちに添おうとしたら
それをよく知らないといけない。
わからないかもしれないけれど、
わかろうとしないと
勝手にわかるはずもない。
無いなら無いでもうそれでいい。
尽くしたとて必ず報われるでもない。
未来の希望は力になるが
期待値は歩く邪魔をする。
咲きたい。
小さくでも凛と美しければ。